経済学の入門でよく登場するのが「需要曲線」「供給曲線」「市場均衡」です。しかし、式が複数出てくると、どこから計算すればよいのかわからなくなる人も少なくありません。
特に、消費者余剰や生産者余剰は「三角形の面積」と関係しているため、グラフのイメージが持てないと混乱しやすい単元です。
この記事では、需要曲線と供給曲線の基本から、市場均衡・余剰の求め方・市場全体の需要供給曲線の作り方まで、具体例を使って順番に解説します。
市場均衡とは何か
市場均衡とは、「需要量」と「供給量」が一致する点のことです。
つまり、
需要曲線=供給曲線
として計算します。
例えば、
需要曲線:x=40-2p
供給曲線:x=3p
なら、
40-2p=3p
を解けば均衡価格が求まります。
40=5p
p=8
これを供給曲線に代入すると、
x=3×8=24
よって、
- 均衡価格:8
- 均衡数量:24
となります。
消費者余剰と生産者余剰の求め方
余剰はグラフ上の三角形の面積で考えます。
消費者余剰
需要曲線の価格切片を求めます。
x=40-2p
x=0を代入すると、
0=40-2p
p=20
よって、価格20が需要側の最大支払価格です。
均衡価格は8なので、高さは
20-8=12
底辺は均衡数量24です。
したがって、
消費者余剰=1/2×24×12=144
生産者余剰
供給曲線x=3pは、p=0から始まるので、高さは8です。
生産者余剰=1/2×24×8=96
つまり、最初の均衡は次の通りです。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 均衡価格 | 8 |
| 均衡数量 | 24 |
| 消費者余剰 | 144 |
| 生産者余剰 | 96 |
需要曲線が変化した場合の解き方
次に、需要曲線が
x=60-3p
に変化した場合を考えます。
供給曲線はそのまま x=3p です。
市場均衡は、
60-3p=3p
60=6p
p=10
数量は、
x=3×10=30
となります。
新しい消費者余剰
x=60-3p
x=0より、
0=60-3p
p=20
高さは20-10=10
底辺30
消費者余剰=1/2×30×10=150
新しい生産者余剰
高さ10、底辺30なので、
生産者余剰=1/2×30×10=150
| 項目 | 変化前 | 変化後 |
|---|---|---|
| 価格 | 8 | 10 |
| 数量 | 24 | 30 |
| 生産者余剰 | 96 | 150 |
つまり、
- 価格:+2
- 数量:+6
- 生産者余剰:+54
増加しています。
市場全体の需要曲線の作り方
個人の需要曲線を足し合わせると、市場全体の需要曲線になります。
Aさん:x=6-2p
Bさん:x=12-4p
市場全体では、
x=(6-2p)+(12-4p)
x=18-6p
となります。
需要曲線は「数量を横に足す」と覚えるとわかりやすいです。
市場全体の供給曲線の考え方
供給曲線も同様に足し合わせます。
Cさん:x=2p
Dさん:x=p
なら、
x=2p+p
x=3p
これが市場全体の供給曲線になります。
市場均衡を求める
需要曲線。
x=18-6p
供給曲線。
x=3p
を等しくします。
18-6p=3p
18=9p
p=2
数量は、
x=3×2=6
よって、
- 均衡価格:2
- 均衡数量:6
となります。
需要供給問題を解くコツ
需要供給の問題では、次の順番で考えると整理しやすいです。
- 需要曲線と供給曲線を確認する
- 需要=供給で均衡価格を出す
- 価格を代入して数量を求める
- 余剰は三角形の面積で計算する
最初は式ばかりに見えますが、グラフの意味を理解するとかなり解きやすくなります。
まとめ
需要曲線と供給曲線の問題では、「市場均衡=需要量と供給量が一致する点」という基本を押さえることが最も重要です。
また、消費者余剰・生産者余剰はグラフ上の三角形の面積として考えると理解しやすくなります。
さらに、市場全体の需要曲線や供給曲線は、個人ごとの数量を足し合わせることで求められます。
経済学は式だけでなく、「市場で何が起きているか」をイメージすると理解が深まりやすい分野です。まずは基本パターンを繰り返し練習することが大切です。


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