転置行列の行列式が元の行列と一致する理由の解説

大学数学

線形代数でよく出てくる命題の一つに、「転置行列の行列式は元の行列の行列式と一致する」というものがあります。ここでは、なぜ最初の添え字に対して昇順に並び替えることでこの一致が示せるのかを解説します。

行列式の定義の整理

行列A = (a_ij)の行列式は、順列σ∈S_nに対して

det(A) = Σ_(σ∈S_n) sgn(σ) a_1σ(1) a_2σ(2) … a_nσ(n)

で定義されます。転置行列A^Tの場合、要素は a_ij → a_ji に入れ替わります。

転置の影響と順列の整理

転置行列A^Tの行列式は

det(A^T) = Σ_(σ∈S_n) sgn(σ) a_σ(1)1 a_σ(2)2 … a_σ(n)n

と書けます。このとき、σ(1), σ(2), … σ(n) が最初の添え字の順序に従っているわけではありません。

最初の添え字を昇順に並び替える

行列式の項は順列の積に符号sgn(σ)がかかっているので、積の順序を入れ替えても符号を調整すれば同じ値になります。具体的には、各項の積 a_σ(1)1 a_σ(2)2 … a_σ(n)n の最初の添え字(ここでは1,2,…,n)に従って要素を並べ替えると、符号の入れ替えを行った上で

a_1σ^(-1)(1) a_2σ^(-1)(2) … a_nσ^(-1)(n)

の形に書き直せます。この形は元の行列Aの行列式の定義そのままです。

結論

つまり、転置行列の行列式を計算する際、最初の添え字に従って昇順に並び替えることにより、順列の符号を調整すれば元の行列式の形に一致することがわかります。これにより det(A^T) = det(A) が成立します。

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