数列の収束問題では「単調有界だから収束する」といった大学的な議論を避け、高校数学の範囲で証明する方法が重要になります。本記事では、数列 a_{n+1}=(a_n^2+1)/2 が1に収束することを、初等的な不等式と評価を用いて丁寧に解説します。
問題の確認と基本方針
与えられた数列は、0 < a_1 ≦ 1かつ
a_{n+1} = (a_n^2 + 1)/2
で定義されています。この数列が1に収束することを示すには、次の2点が重要です。
- すべての項が1以下であること
- 1との差がだんだん小さくなること
この2つを高校数学の範囲で示していきます。
まずは範囲:0 < a_n ≦ 1 を示す
帰納法により、すべてのnについて0 < a_n ≦ 1が成り立ちます。
実際、a_n ≦ 1 とすると、
a_{n+1} = (a_n^2 + 1)/2 ≦ (1 + 1)/2 = 1
また明らかに正なので、この範囲は保たれます。この性質は後の評価で重要になります。
差を考える:1との差の変化を見る
収束先が1であることを示すため、差に注目します。
a_{n+1} – 1 = (a_n^2 + 1)/2 – 1 = (a_n^2 – 1)/2
ここで因数分解すると、
a_{n+1} – 1 = (a_n – 1)(a_n + 1)/2
となります。この形が重要です。
評価のポイント:係数に注目する
絶対値を取ると、
|a_{n+1} – 1| = |a_n – 1|・(a_n + 1)/2
ここで、0 < a_n ≦ 1より、
1 < a_n + 1 ≦ 2
したがって、
(a_n + 1)/2 ≦ 1
が成り立ちます。さらに、a_n ≠ 1 のときは
(a_n + 1)/2 < 1
となります。
つまり、
|a_{n+1} – 1| < |a_n – 1|
となり、差は確実に小さくなっていきます。
単調性を使った高校的な収束の示し方
さらに、a_{n+1} – a_n を調べると、
a_{n+1} – a_n = (a_n^2 + 1)/2 – a_n = (a_n – 1)^2/2 ≧ 0
となり、数列は単調増加であることが分かります。
また、すべての項が1以下なので、
単調増加かつ上に有界
となり、極限が存在します(高校でも扱う基本事実)。
極限をLとすると、元の式に代入して
L = (L^2 + 1)/2
これを解くと、
L = 1
となります。
まとめ:差の評価と単調性がカギ
この数列の収束は、次の2点で理解できます。
- 差が |a_{n+1}-1| < |a_n-1| で小さくなる
- 数列は単調増加かつ1以下に抑えられる
このように、高校数学でも「差の評価」と「単調性」を組み合わせることで、収束をしっかり示すことができます。極限の問題では、単に計算するだけでなく、こうした構造を見る視点が重要です。


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