「メディア心理学」や「ポジティブメディア心理学」といった学問が注目される中で、SNSやVRなどのデジタルメディアが持つ心理的な影響について、ポジティブな面とネガティブな面の両方が考察されています。特に、SNSやオンラインゲームのようなデジタル空間が、心理学的にどのような影響を与え、どのような弊害を引き起こす可能性があるのかという点について深掘りしていきます。
ポジティブメディア心理学とその限界
ポジティブメディア心理学は、メディアが個人に与える好影響を探求する学問ですが、その焦点は通常、メディアがどのように心の健康や自己認識に良い影響を与えるかという点に置かれます。SNSやVRもその一部として、密室で一人で使う場合には心理的に有益な面もあります。しかし、これが公共の場で使用されるようになると、他者との関わりや社会的影響が絡み合い、ポジティブな側面が引き出される一方で、ネガティブな影響も大きくなることが懸念されます。
SNSとその社会的影響
SNSの普及は、個人の自尊心や社会的なつながりを強化する一方で、過度の競争や自己顕示欲の増加など、精神的なストレスを引き起こすこともあります。社会的な事件を見てみると、SNSが問題を引き起こす原因となっているケースが増えており、オンライン上での誹謗中傷やデマの拡散が深刻な社会問題となっています。これらの現象は、現実世界の問題がオンライン空間に引き継がれる可能性を示唆しています。
オンラインゲーム空間とその安全性
オンラインゲームは、一定の制約の中で問題解決を進める場合、心理的に安定した環境を提供することがあります。しかし、これが完全に自由な空間として解放されると、悪質な行為やトラブルの温床になる可能性もあります。将来的に、安全で自律的に問題解決が行われるオンラインゲーム空間の実現が期待されますが、その際にも、オンラインと現実世界を適切に区別する重要性が増すでしょう。
メディア空間と現実の融合に対する懸念
メディア空間と現実が融合しすぎると、現実世界の問題がそのままオンライン空間に持ち込まれる危険性があります。このような状況では、悪質な行動や犯罪がオンラインで拡大し、現実世界でも影響を与える可能性が高くなります。そのため、メディア空間が現実世界と完全に一体化することには慎重であるべきだという意見も多くあります。
まとめ
ポジティブメディア心理学の進展とともに、デジタルメディア(SNSやVR)が私たちの生活に与える影響はますます深刻になっています。密室での使用が有益であっても、公共の場での利用やオンライン空間が現実世界と融合することによって引き起こされる問題には注意が必要です。オンラインゲームなど、安全な空間の確立が期待される中で、メディアと現実世界の適切なバランスを取ることが今後の課題となります。
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