なぜSSDやメモリーカードの容量は32GB・64GBなど倍々なのか?HDDとの違いをわかりやすく解説

工学

SSDやSDカード、USBメモリーなどの半導体ストレージを見ると、32GB、64GB、128GB、256GBのように容量が2倍ずつ増えている製品が多くあります。一方で、HDDでは1TB、2TB、3TB、4TBなど、必ずしも倍々ではない容量の商品も多く存在します。

なぜ半導体メモリーは倍々の容量展開になりやすいのでしょうか。また、96GBや1.5TBのような中間的な容量の商品は技術的に作れないのでしょうか。この記事では、半導体メモリーとHDDの容量設計の違いについて詳しく解説します。

半導体メモリーの容量が倍々になりやすい理由

半導体メモリーでは、内部に多数のメモリーセルと呼ばれる記憶単位を配置しています。このメモリーセルの数は、半導体の設計上、2の倍数で管理されることが多くあります。

コンピューターは基本的に2進数で情報を扱うため、容量も2の累乗で設計すると回路設計や管理がしやすくなります。

例えば、1つのメモリーチップが16Gb(ギガビット)なら、それを複数組み合わせて32GB、64GB、128GBというような製品容量を作ります。このため、市販製品では倍々の容量が多く見られます。

メモリーチップは必ずしも2倍容量だけでは作られていない

実は、半導体メーカーが製造しているチップそのものが、必ず2倍単位しか存在しないわけではありません。

例えば、質問にあるような32GB相当のチップを3枚搭載して96GBのメモリーカードを作ることは、技術的には可能です。実際、一部の製品では32GBや64GBといった規格から外れた容量の商品も存在します。

しかし、商品化する場合には製造コストや販売のしやすさ、互換性などを考える必要があります。そのため、一般消費者向けの商品では分かりやすい倍数容量が選ばれることが多いのです。

中途半端な容量の商品が少ない理由

96GBや1.5TBのような容量を作ること自体は難しくありません。しかし、メーカーにとっては管理する製品種類が増えるという問題があります。

例えば、128GBモデルと96GBモデルを両方販売すると、設計、検査、在庫管理、販売計画などのコストが増加します。

また、多くの消費者は容量を比較するとき、「64GBより128GBの方が大きい」という分かりやすい基準を好みます。そのため、販売面でも2倍容量の商品が有利になります。

SSDでも倍々容量が多い理由

SSDも基本的にはNANDフラッシュメモリーという半導体で構成されています。そのため、メモリーチップ単位の容量設計の影響を強く受けます。

例えば、512GBのNANDチップを2枚使えば1TB、4枚使えば2TBというように、組み合わせによって容量を作ることができます。

ただし、SSDメーカーが必ずチップ容量ぴったりの容量を製品名にするわけではありません。実際には、内部の予備領域(ウェアレベリングや不良セル置換用)を確保するため、表示容量より多くのメモリーを搭載している場合があります。

HDDの容量が倍々にならない理由

HDDは半導体メモリーとは構造が大きく異なります。HDDでは、磁気ディスク(プラッタ)にどれだけ高密度でデータを書き込めるかが容量を決めます。

そのため、HDDの容量向上は「記録密度を上げる」「プラッタ枚数を増やす」「磁気ヘッドの性能を向上させる」といった改良によって進んできました。

例えば、1枚のプラッタが500GBだったものを改良して750GBにできれば、HDD全体の容量も750GBや1.5TBなどになります。このように、物理的な性能向上の結果として容量が決まるため、半導体のような規則的な倍数になりにくいのです。

昔のメモリー容量が64KBや640KBだった理由

昔のパソコンでも、メモリー容量が64KBや640KBのような数字になっていたのは、半導体メモリーの構造が現在と同じく2進数を基本としていたためです。

ただし、当時はメモリーチップの容量が小さく、必要な容量を複数組み合わせていたため、640KBのようにシステム設計上の都合による特殊な容量も多く存在しました。

現在は、メモリーチップ単体の容量が大きくなり、製品設計も標準化されたため、32GB、64GB、128GBといった分かりやすい容量が主流になっています。

まとめ|半導体は設計規則、HDDは物理性能の違いで容量表記が変わる

SSDやメモリーカードが倍々容量になりやすいのは、半導体メモリーが2進数を基本とした設計で作られており、チップを組み合わせて容量を作る仕組みだからです。

96GBや1.5TBのような容量も技術的には作れますが、製造や販売の効率、消費者への分かりやすさから、128GBや2TBなどの標準的な容量が選ばれることが多くなっています。

一方、HDDは磁気ディスクの記録密度や構造によって容量が決まるため、改良の結果としてさまざまな容量が生まれます。両者の違いは、記憶方式と製品設計の考え方の違いによるものです。

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