同じ時給で働き始めても、毎年少しずつ昇給する会社と昇給がない会社では、長く勤めるほど収入差が大きくなります。特に毎年10円ずつ時給が上がる場合、単純に10円×年数だけではなく、各年の昇給分が積み重なっていきます。
この記事では、1日8時間・週5日・年間52週働く条件で、毎年10円昇給する場合と昇給なしの場合の11年間の総収入差を、数学的な考え方を使って簡単に計算する方法を解説します。
まず1年間で何時間働くかを計算する
最初に、1年間の労働時間を求めます。
条件は、1日8時間、週5日、年間52週なので、
8時間×5日×52週=2080時間
となります。
つまり、1年間で2080時間働くことになります。
この2080時間に時給の差をかけることで、その年の収入差が計算できます。
毎年10円昇給すると1年ごとの差はいくらになるか
昇給なしの会社では、何年働いても最初の時給のままです。
一方、毎年10円昇給する会社では、1年目終了後に時給が10円上がります。
そのため、2年目では昇給なしの会社との差が時給10円になります。
1年間の労働時間は2080時間なので、2年目の年間収入差は、
10円×2080時間=20,800円
となります。
同じように考えると、各年の差は次のようになります。
| 勤続年数 | その年の時給差 | 年間収入差 |
|---|---|---|
| 1年目 | 0円 | 0円 |
| 2年目 | 10円 | 20,800円 |
| 3年目 | 20円 | 41,600円 |
| 4年目 | 30円 | 62,400円 |
| 5年目 | 40円 | 83,200円 |
このように、毎年の差が一定ずつ増えていくため、これは数学でいう「等差数列」として考えることができます。
11年間の総収入差は等差数列の和で求める
11年間働いた場合、毎年発生する収入差をすべて合計します。
時給差は、1年目を0円、2年目を10円、3年目を20円というように増えていきます。
11年目では、
10円×10回=100円
の時給差になります。
つまり、時給差の並びは、
0円、10円、20円、30円、40円、50円、60円、70円、80円、90円、100円
です。
これを年間労働時間2080時間分で考えると、総収入差は、
2080時間×(0+10+20+30+40+50+60+70+80+90+100)
となります。
括弧内は等差数列の和なので、
(初項+末項)×項数÷2
を使います。
(0+100)×11÷2=550
したがって、
2080×550=1,144,000円
となります。
つまり、11年間働いた場合、毎年10円昇給する会社と昇給なしの会社では、約114万4000円の差になります。
質問にある計算との違いについて
「2年後では20,800円、3年後では62,400円、4年後では124,800円」という考え方は、累積の差を計算しているため途中までは同じ考え方です。
ただし、各年の差を積み上げる場合は、単純な掛け算よりも等差数列の和を使うと一度で計算できます。
今回の場合、毎年増える差額は一定なので、
年間労働時間×昇給額×(0から10までの合計)
という形で考えることができます。
一般化すると、n年間働いた場合の差は、
2080×10×(0+1+2+…+(n-1))
となります。
もっと簡単な覚え方
毎年一定額ずつ増えるものは、「足し算の積み重ね」と考えると分かりやすくなります。
例えば、毎月100円ずつ貯金額が増える場合も、1年目の増加分、2年目の増加分というように階段状に増えていきます。このような問題では等差数列の公式が便利です。
今回の昇給の例では、「毎年10円上がる」という小さな差でも、長期間では大きな金額になることが分かります。
まとめ
毎年10円ずつ時給が上がる会社と昇給なしの会社の収入差は、単純に最後の時給差だけを見るのではなく、毎年積み重なった差を合計して求めます。
1年間の労働時間が2080時間の場合、11年間の総収入差は、
2080×(0+10+20+30+40+50+60+70+80+90+100)=1,144,000円
となります。
このような「毎年一定割合や一定額で増える差」を計算するときは、等差数列の和の公式を使うと、複雑な計算を簡単に処理できます。


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