CaCl2にカッコが付かないのにAl(OH)3に付く理由とは?組成式の書き方を化学基礎から解説

化学

化学基礎で組成式を学ぶと、「CaCl2にはカッコがないのに、Al(OH)3にはなぜカッコが必要なのか」と疑問に感じることがあります。どちらもイオンが組み合わさってできる物質ですが、カッコを使うかどうかは価電子数ではなく、イオンのまとまりを何個使うかで決まります。この記事では、組成式でカッコを使うルールを具体例を交えて分かりやすく解説します。

組成式を書く基本ルールはイオンの数の比を表すこと

組成式とは、イオン結晶などを作っている元素やイオンの割合を最も簡単な比で表したものです。ポイントは、物質全体が電気的に中性になるように陽イオンと陰イオンの数を合わせることです。

例えば、カルシウムイオンはCa²⁺、塩化物イオンはCl⁻です。Ca²⁺の電荷を打ち消すには、Cl⁻が2個必要になります。

そのため、カルシウムと塩素からできる塩化カルシウムはCaCl₂と表します。ここではClという単独の元素記号に2を付けるだけなので、カッコは必要ありません。

CaCl2にカッコを付けない理由

CaCl₂をCa(Cl)₂と書かない理由は、Cl⁻が単独のイオンだからです。組成式では、1種類の元素記号からなる単原子イオンの場合、数を表す数字をそのまま右下に付けます。

例えば、次のようなものも同じ考え方です。

・NaCl(ナトリウムイオンNa⁺と塩化物イオンCl⁻)
・MgCl₂(マグネシウムイオンMg²⁺と塩化物イオンCl⁻2個)
・Al₂O₃(アルミニウムイオンAl³⁺と酸化物イオンO²⁻)

これらはすべて、元素記号だけでイオンの種類が分かるため、カッコを使いません。

Al(OH)3にカッコが必要な理由

一方、Al(OH)₃では、OHという2つの元素からなるまとまりを3個使っています。このOHは水酸化物イオンという1つのイオンとして扱われます。

アルミニウムイオンはAl³⁺、水酸化物イオンはOH⁻です。Al³⁺の電荷を打ち消すには、OH⁻が3個必要になります。

そのため、水酸化アルミニウムはAl(OH)₃と書きます。もしAlOH₃と書いてしまうと、Oが1個、Hが3個あるように見えてしまい、OHというまとまりが3個あることを表せません。

カッコを使うのは多原子イオンが複数ある場合

組成式でカッコを使うかどうかを判断するポイントは、「同じイオンのまとまりが2個以上必要か」です。

例えば、水酸化カルシウムの場合を考えてみます。カルシウムイオンCa²⁺と水酸化物イオンOH⁻を組み合わせると、OH⁻が2個必要になります。

この場合はCa(OH)₂と書きます。OHというグループ全体が2個あることを表すため、カッコで囲む必要があります。

同じような例には以下があります。

・Mg(OH)₂(水酸化マグネシウム)
・CaCO₃(炭酸カルシウム)
・Al₂(SO₄)₃(硫酸アルミニウム)

特にSO₄²⁻のような多原子イオンが複数ある場合は、カッコが重要になります。

価電子数ではなくイオンの種類を見ることが大切

組成式を考えるとき、「価電子数が違うからカッコが付く」と考えると混乱しやすくなります。

価電子数はイオンの電荷を考えるためには重要ですが、カッコを使うかどうかは、そのイオンが単独の元素なのか、複数元素が結合したまとまりなのかで決まります。

例えば、Ca²⁺とCl⁻ではClだけを2個並べればよいのでCaCl₂になります。一方、Al³⁺とOH⁻ではOHというグループを3個使うためAl(OH)₃になります。

組成式でカッコを判断する簡単な覚え方

組成式を書くときは、まず陽イオンと陰イオンを確認します。その後、陰イオンが1つの元素だけでできているか、複数元素のまとまりかを確認すると判断しやすくなります。

単原子イオンの場合はカッコなし、多原子イオンを複数使う場合はカッコを付ける、と覚えると多くの問題に対応できます。

例えば、CaCl₂ではClは1種類の元素なのでカッコなし、Ca(OH)₂ではOHというまとまりが2個あるのでカッコあり、と判断できます。

まとめ

CaCl₂にカッコが付かず、Al(OH)₃にカッコが付く理由は、イオンのまとまりの違いによるものです。

CaCl₂ではCl⁻という単独のイオンを2個使うため、そのままCl₂と書きます。一方、Al(OH)₃ではOH⁻という複数元素からなるイオンを3個使うため、OH全体をカッコで囲みます。

組成式では価電子数だけを見るのではなく、「そのイオンが単独なのか、まとまりなのか」「そのまとまりを何個使うのか」を意識すると、カッコの有無を正しく判断できるようになります。

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