制御盤の制御電源用ブレーカは15Aと20Aどちらを選ぶべき?選定基準と注意点を解説

工学

制御盤の設計や改修では、制御電源用ブレーカの容量選定が重要になります。例えばMCB2P50/15AとMCB2P50/20Aのどちらを使用するべきか迷う場合、単純に大きい容量を選べばよいわけではありません。接続する機器の消費電流や保護対象、配線容量などを考慮して適切な定格を選定する必要があります。この記事では、制御盤の制御電源用ブレーカを選ぶ際の考え方について詳しく解説します。

制御盤の制御電源用ブレーカとは何か

制御盤における制御電源用ブレーカは、PLC、リレー、タッチパネル、センサー、電磁弁などの制御機器へ供給する電源回路を保護するために使用されます。

主な役割は、短絡や過電流が発生した場合に回路を遮断し、機器の故障や配線の過熱を防ぐことです。そのため、ブレーカの定格電流は接続機器の消費電流だけでなく、配線や電源系統全体とのバランスで決める必要があります。

MCB2P50/15AやMCB2P50/20Aという表記の場合、一般的には2極タイプで定格電圧範囲50Aフレームの小型配線用遮断器を意味し、最後の15Aや20Aが定格電流を示します。

15Aと20Aの違いは何か

MCB2P50/15AとMCB2P50/20Aの大きな違いは、ブレーカが許容できる電流値です。

種類 特徴
15Aブレーカ 15Aまでの電流を基準として保護する。小容量の制御回路向き。
20Aブレーカ 20Aまでの電流を基準として保護する。より大きな負荷を接続可能。

例えば制御盤内の電源がPLCや小型リレーだけで構成され、消費電流が数A程度の場合は15Aでも十分な場合があります。

一方で、複数の電磁弁、ファン、ヒータ、複数台の制御機器などを接続する場合は、20Aが必要になるケースがあります。ただし、容量を大きくすれば安全になるという意味ではありません。

制御電源用ブレーカを選ぶ基本的な考え方

ブレーカ選定では、まず接続される機器の定格電流を合計することが基本です。例えば、PLCが1A、タッチパネルが0.8A、センサー類が0.5A、リレーが1Aの場合、合計消費電流は約3.3Aになります。

このような場合、15Aブレーカでも十分な余裕があります。むしろ20Aを選ぶと、異常時に過電流を検出するまでの範囲が広がり、細い配線や小型機器を十分に保護できない可能性があります。

一般的には、通常運転時の負荷電流に対して適切な余裕を持たせながら、配線の許容電流以下となるように選定します。

15Aを選ぶ場合と20Aを選ぶ場合の具体例

15Aブレーカが向いている例として、小規模な制御盤があります。例えば、PLC制御、表示器、近接センサー、リレー程度しか使用しない装置では、消費電力が小さいため15Aで十分なことが多くあります。

一方、20Aブレーカが検討される例として、制御盤内に多数のDC電源、電磁弁、冷却ファン、ヒータ制御回路などがあり、制御電源ラインの負荷が大きい場合があります。

ただし、将来的な増設予定がある場合でも、単純に20Aへ変更するのではなく、電源容量、端子台、電線サイズ、上流側ブレーカとの協調を確認することが大切です。

ブレーカ容量を大きくする場合の注意点

ブレーカの容量を15Aから20Aへ変更すると、通常運転では問題なく動作しているように見える場合があります。しかし、異常時の保護性能という観点では注意が必要です。

例えば、15A用として設計された細い配線に20Aブレーカを取り付けると、配線が許容できる電流を超えるまで遮断されない可能性があります。その結果、配線発熱や絶縁劣化につながることがあります。

また、制御機器には突入電流が発生するものもあるため、単純な消費電流だけではなく、起動時の電流特性も確認する必要があります。

制御盤設計で確認すべきポイント

制御電源用ブレーカを選定するときは、以下の項目を確認すると適切な容量を判断しやすくなります。

  • 接続する制御機器の合計消費電流
  • 電源装置の容量
  • 使用する電線サイズと許容電流
  • 将来的な増設予定
  • 短絡時に適切に遮断できるか

例えば、24VDC電源を使用する制御盤では、AC側のブレーカ容量だけでなく、DC電源の容量や二次側保護についても考える必要があります。

制御盤は安全性と安定稼働の両方が求められるため、ブレーカ容量は設備仕様書や電気設計基準に基づいて決定することが重要です。

まとめ

制御盤の制御電源用ブレーカでMCB2P50/15AとMCB2P50/20Aのどちらを使用するかは、単純に容量が大きい方を選ぶ問題ではありません。

接続機器の消費電流、配線容量、保護対象を考慮すると、小規模な制御回路では15A、大きな負荷や余裕が必要な場合では20Aが適する場合があります。

最適な選定は、通常時の電流だけではなく異常時の保護性能まで考えて判断することが重要です。制御盤の安全性を確保するためにも、ブレーカ容量・電線サイズ・負荷条件を総合的に確認して選定しましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました