多変数関数のテーラー展開は、1変数の場合よりも構造が複雑になりますが、「積の形」と「1変数展開の組み合わせ」として整理すると理解しやすくなります。本記事では √(x+h)sin(y+k) をn次の剰余項まで展開する考え方を解説します。
テーラー展開の基本形(2変数)
2変数関数f(x,y)の点(a,b)周りのテーラー展開は次の形で表されます。
f(a+h,b+k)=Σ (h^i k^j / i!j!) ∂^(i+j)f/∂x^i∂y^j (a,b) + 剰余項
ここでi+j≤nまでの項を取ることでn次近似になります。
関数の分解 √(x+h)sin(y+k)
今回の関数は積の形になっているため、それぞれ別々に展開してから掛け合わせるのが基本です。
f1(x)=√(x+h), f2(y)=sin(y+k) と分けて扱います。
その後、それぞれをx,yの微小変化としてテーラー展開します。
√(x+h) のテーラー展開
√(x+h)はxの周りで次のように展開できます。
√(x+h)=√x + (1/(2√x))h – (1/(8x^(3/2)))h^2 + …
一般に二項展開として (1 + h/x)^(1/2) の形で処理します。
sin(y+k) のテーラー展開
sin(y+k)はyの周りで次のように展開されます。
sin(y+k)=sin y + k cos y – (k^2/2) sin y – (k^3/6) cos y + …
これは標準的なマクローリン展開の平行移動版です。
積の展開とn次までの整理
最終的には √(x+h) と sin(y+k) の展開を掛け合わせ、h^i k^j の総次数がn以下の項を残します。
例えば1次までなら
√x sin y + (h/(2√x)) sin y + √x (k cos y)
という形になります。
2次以上では h^2, hk, k^2 の項を順に整理していきます。
剰余項の扱い
n次テーラー展開の剰余項は一般にラグランジュ型剰余で表されます。
R_n = O( (|h|+|k|)^(n+1) ) のように評価されることが多く、具体形は高階偏微分を含みます。
まとめ
多変数関数のテーラー展開は「各変数ごとに展開してから積を整理する」という手順が基本です。
今回の関数も、√部分とsin部分をそれぞれ展開し、次数ごとに整理することでn次剰余項まで求められます。


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