高校数学から大学初級の解析で頻出する積分 \( \int_{0}^{\infty} \frac{1}{(1+x^2)^n} dx \) は、直接計算しようとすると難しく感じられる代表的な問題です。本記事では、この積分をβ関数(ベータ関数)を用いて標準的に解く方法を、流れに沿って整理します。
この積分が重要とされる理由
この積分は、ガウス積分や確率分布(特にコーシー分布やt分布)とも深く関係しており、解析学や確率論で頻繁に登場します。
そのため、単なる計算問題ではなく「関数変形→特殊関数への帰着」という重要な思考プロセスを学ぶ題材になります。
三角置換 x = tanθ による変形
まず基本となるのが三角置換です。x = tanθ とおくと、dx = sec^2θ dθ となります。
また、1 + x^2 = 1 + tan^2θ = sec^2θ なので、積分は次のように変形できます。
∫0∞ 1/(1+x^2)^n dx = ∫0^{π/2} (1/sec^2θ)^n × sec^2θ dθ
整理すると sec^{2-2n}θ = cos^{2n-2}θ となるため、積分は次の形になります。
∫0^{π/2} cos^{2n-2}θ dθ
β関数との関係
β関数は次の定義で表されます。
B(a,b) = 2∫0^{π/2} sin^{2a-1}θ cos^{2b-1}θ dθ
今回の積分は sin項が存在しないため sin^0 とみなすと、2a-1=0より a=1/2となります。
また cosの指数から 2b-1=2n-2 より b = n – 1/2 が得られます。
したがって積分は次のβ関数で表せます。
∫0^{π/2} cos^{2n-2}θ dθ = 1/2 B(1/2, n-1/2)
ガンマ関数を用いた最終結果
β関数はガンマ関数で表すと B(a,b)=Γ(a)Γ(b)/Γ(a+b) です。
これを代入すると次のようになります。
∫0∞ 1/(1+x^2)^n dx = 1/2 × Γ(1/2)Γ(n-1/2)/Γ(n)
Γ(1/2)=√π を用いると、最終的に次の公式が得られます。
∫0∞ 1/(1+x^2)^n dx = (√π / 2) × Γ(n-1/2)/Γ(n)
まとめ
この積分は三角置換によってcosの冪積分に帰着し、さらにβ関数へ変換することで標準形として評価できます。最終的にはガンマ関数を用いた美しい閉じた形に整理されるのがポイントです。


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