微分方程式や曲線群の問題では、「直交截線(ちょっこうせっせん)」を求める問題が頻出です。しかし、助変数 α を含む式になると、どこで微分して、どこで α を消去すればよいのか混乱しやすくなります。この記事では、曲線群 y²(2α-x)=x³ の直交截線を、計算の意味も含めて順を追って解説します。
まず「直交截線」とは何か
直交截線とは、ある曲線群に対して、すべての交点で直角に交わる曲線群のことです。
つまり、元の曲線の接線の傾きを m とすると、直交截線の傾きは
-1/m
になります。
したがって、まず元の曲線群の微分方程式を求める必要があります。
与えられた曲線群を整理する
問題の曲線群は、
y²(2α-x)=x³
です。
まず α を含む形を整理します。
展開すると、
2αy²-xy²=x³
なので、
2αy²=x³+xy²
したがって、
α=(x³+xy²)/(2y²)
となります。
ただし、直交截線を求める際は、通常は α を消去するために暗黙微分を行います。
暗黙微分で傾きを求める
元の式
y²(2α-x)=x³
を x で微分します。
α は助変数なので定数扱いです。
積の微分を使うと、
2yy'(2α-x)+y²(-1)=3x²
となります。
整理すると、
2yy'(2α-x)=3x²+y²
ここで元の式から、
2α-x=x³/y²
なので代入すると、
2yy’・x³/y²=3x²+y²
となります。
約分すると、
2x³y’/y=3x²+y²
したがって、
y’=y(3x²+y²)/(2x³)
直交截線の微分方程式を作る
直交截線では傾きが負の逆数になるので、
dy/dx=-1/y’
です。
先ほどの y’ を代入すると、
dy/dx=-2x³/{y(3x²+y²)}
これが直交截線の微分方程式です。
変数分離の形を探す
式を見ると、
y(3x²+y²)dy=-2x³dx
と書けます。
左辺を展開すると、
(3x²y+y³)dy=-2x³dx
ここで x と y が混ざっているため、そのまま単純分離は難しそうに見えます。
しかし、同次形に近い構造なので、
y=vx
と置く方法が有効です。
同次形として解く
y=vx
と置くと、
dy/dx=v+x dv/dx
です。
元の式に代入すると、
v+x dv/dx=-2/(v(3+v²))
となります。
整理すると、
x dv/dx=-2/(v(3+v²))-v
通分すると、
x dv/dx=-(3v²+v⁴+2)/(v(3+v²))
さらに、
v⁴+3v²+2=(v²+1)(v²+2)
なので、
x dv/dx=-(v²+1)(v²+2)/(v(3+v²))
積分して直交截線を求める
変数分離すると、
v(3+v²)/((v²+1)(v²+2)) dv=-dx/x
となります。
部分分数分解を行うと積分可能です。
計算を進めると、最終的に直交截線群が求まります。
途中計算はやや長くなりますが、重要なのは「元の曲線の傾き → 負の逆数 → 微分方程式を解く」という流れです。
直交截線問題で重要な考え方
このタイプの問題では、式変形そのものよりも、次の流れを理解しているかが大切です。
- 曲線群を微分する
- 助変数を消去する
- 接線の傾きを求める
- 負の逆数に変える
- 新しい微分方程式を解く
特に「なぜ負の逆数なのか」を理解すると、公式暗記ではなく図形的意味で理解できるようになります。
まとめ
曲線群 y²(2α-x)=x³ の直交截線を求めるには、まず暗黙微分によって元の曲線の傾きを求め、その負の逆数を直交截線の傾きとして微分方程式を作ります。その後、同次形変換などを用いて積分していきます。直交截線の問題では、単なる計算よりも「接線が直交する=傾きが負の逆数になる」という幾何学的意味を理解することが重要です。


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