物流データを分析する際、単純に輸送日数を平均するだけでは実際の到着状況を正しく把握できない場合があります。特に、便ごとに荷物数が異なる場合や、全体の何%が到着した時点の輸送日数を求めたい場合は、荷物数を考慮した加重平均で計算する必要があります。
この記事では、複数区間を経由する輸送データから、総荷物数の90%が到着するまでの輸送日数を求める方法や、仙台から大阪のような区間別のリードタイム分析を行う考え方について解説します。
物流改善や納期管理で重要になる、実際の荷物量を反映した輸送日数の集計方法を具体例を使って紹介します。
輸送日数の集計では単純平均ではなく荷物数を考慮する
複数の輸送データがある場合、それぞれの輸送日数を足して件数で割るだけでは正確な結果にならないことがあります。
例えば、8日で30個運んだケースと、7日で10個運んだケースでは、同じ1件のデータでも輸送実績への影響度が異なります。荷物数が多いデータほど全体への影響が大きいため、荷物数を重みとして計算する必要があります。
このような計算方法を加重平均と呼びます。物流では、平均輸送日数や平均リードタイムを求める際によく利用される考え方です。
総輸送日数を求める基本的な計算方法
提示されたデータを使うと、まず各ケースの輸送日数と荷物数を掛け合わせます。
| ケース | 輸送日数 | 荷物数 | 日数×荷物数 |
|---|---|---|---|
| ① | 8日 | 30個 | 240 |
| ② | 7日 | 10個 | 70 |
| ③ | 11日 | 20個 | 220 |
合計すると、日数×荷物数は530になります。
総荷物数は30個+10個+20個で60個なので、加重平均による平均輸送日数は以下の計算になります。
530÷60=約8.83日
つまり、この輸送実績全体では平均約8.8日で大阪へ到着したと考えられます。
90%の荷物が到着する輸送日数を求める方法
90%到着時点を求める場合は、平均ではなく累積到着率を見る必要があります。
総荷物数60個の場合、90%は54個です。そのため、到着日数ごとに荷物数を並べ、54個に達する日を確認します。
今回の例では、各便の到着日数は以下になります。
| 到着日数 | 荷物数 | 累計荷物数 |
|---|---|---|
| 7日 | 10個 | 10個 |
| 8日 | 30個 | 40個 |
| 11日 | 20個 | 60個 |
8日経過時点では40個到着しており、全体の約66.7%です。11日経過時点で60個すべて到着するため、90%到着ラインである54個に到達するのは11日目になります。
したがって、このデータの場合は「90%の荷物が大阪へ到着するまでの輸送日数」は11日となります。
各チェックポイントの輸送日数を計算する方法
仙台から東京、東京から名古屋、名古屋から大阪という区間ごとの日数も分析したい場合は、区間別に同じ考え方で計算します。
例えば東京到着までの日数を調べる場合は、各ケースの仙台~東京の日数を荷物数で集計します。
| ケース | 仙台~東京 | 荷物数 |
|---|---|---|
| ① | 3日 | 30個 |
| ② | 2日 | 10個 |
| ③ | 4日 | 20個 |
この場合も、日数×荷物数を計算し、荷物数合計で割ることで平均的な東京到着リードタイムを算出できます。
さらに90%到着基準で見る場合は、東京到着日数順に荷物数を累積し、54個に達する日数を確認します。名古屋到着、大阪到着についても同じ手順で計算できます。
物流分析で90%到着基準を使うメリット
物流では平均値だけを見ると、一部の遅延案件による影響や、多くの荷物が早く届いている状況を正しく判断できないことがあります。
90%到着基準や95%到着基準などのパーセンタイル分析を利用すると、「ほとんどの荷物が何日以内に届くのか」を把握できます。
例えば、平均輸送日数が8日でも、90%到着まで11日かかる場合は、一部の荷物が遅れるリスクを考慮して納期設定を行う必要があります。
Excelで計算する場合の考え方
実際の業務では、Excelなどで荷物番号ごとの到着日を管理し、到着日数順に並べ替えて累積割合を計算すると効率的です。
基本的な流れは、①輸送日数ごとに荷物数を集計する、②荷物数を累積する、③総荷物数に対する割合を計算する、④90%に達した日数を確認するという手順になります。
大量の物流データを扱う場合でも、この方法を使えば輸送品質や配送遅延リスクを数値で評価できます。
まとめ
輸送日数を正確に分析するには、単純平均ではなく荷物数を考慮した加重平均や累積到着率による計算が重要です。
今回の例では、60個の荷物の90%にあたる54個が到着するタイミングを見ることで、90%到着リードタイムを算出できます。
また、仙台~東京、東京~名古屋、名古屋~大阪といった各チェックポイントも、それぞれの区間ごとに荷物数と到着日数を整理することで同じ方法で分析できます。物流改善では平均値だけでなく、一定割合の荷物が到着するまでの日数を見ることが、より実務的な判断につながります。


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