分数の和が一定になるような自然数の組み合わせを求める問題は、整数論や不定方程式の代表的なテーマの一つです。特に「1/6=1/a+1/b+1/c」のような式では、a,b,cが無限に存在するように見えるため、本当に有限通りなのか疑問に感じる人も多いでしょう。
この記事では、a≦b≦cという条件を利用しながら、なぜ解の組み合わせが有限になるのか、そして実際にどのように候補を絞って求めるのかを分かりやすく解説します。
エジプト分数と呼ばれるこの形式の考え方を使うことで、答えを体系的に探すことができます。
まずa,b,cの範囲を絞る
条件はa≦b≦cなので、分母が小さい順に並んでいます。そのため、1/a、1/b、1/cの大きさは1/aが最も大きくなります。
したがって、3つの項の中で最大のものは1/aです。式全体が1/6なので、次の不等式が成り立ちます。
1/6=1/a+1/b+1/c≦3/a
これより、1/6≦3/aなので、a≦18となります。
また、1/aは全体の一部なので、1/a≦1/6ではありません。むしろ1/aは1/6より大きい可能性があります。aの値は有限個の1から18まで調べればよいことになります。
aの値ごとにb,cを調べる方法
aが決まると、残りの式は次のようになります。
1/b+1/c=1/6-1/a
右辺を一定の値として考えると、今度はbとcについての問題になります。
例えばa=7の場合を考えると、
1/b+1/c=1/6-1/7=1/42
となります。このように右辺が決まれば、bとcの候補をさらに限定できます。
b≦cなので、1/bは1/b+1/cの半分以上になります。つまり、
1/b≧(1/6-1/a)/2
となり、bにも上限が存在します。このため、bも無限に探す必要はありません。
式を整数の条件に変形して解を探す
より効率的に調べるには、次の変形を利用します。
1/b+1/c=d
と置きます。ただしdは正の有理数です。
両辺を整理すると、
(b+c)/(bc)=d
となります。さらに変形すると、
d(bc)=b+c
となり、因数分解できる形に変えることでb,cの候補を求められます。
この方法を使うと、単純な試行よりも効率よく組み合わせを確認できます。
実際の解の組み合わせ
この問題の条件を満たす組み合わせを調べると、以下の11通りになります。
(a,b,c)=(7,42,42)
(7,43,1806)
(7,44,924)
(7,45,630)
(8,24,24)
(9,18,18)
(10,15,30)
(12,12,12)
(12,13,156)
(14,14,21)
(15,15,15)
したがって、a≦b≦cの条件のもとでは11通りの組み合わせが存在します。
なぜ解の個数は有限になるのか
この問題が有限通りになる理由は、a,b,cそれぞれに上限が存在するためです。
まずaはa≦18と限定されます。そしてaを固定すると、bについても上限が決まります。さらにbを固定すれば、cは方程式から一意に決まるか、存在するかどうかを確認するだけになります。
つまり、無限に続く自然数の中から探しているように見えても、実際には有限個の候補だけを調べればよい問題になっています。
エジプト分数としての考え方
1/6=1/a+1/b+1/cのような形は、エジプト分数と呼ばれる数学分野で扱われます。古代エジプトでは、分数を単位分数(分子が1の分数)の和として表す方法が使われていました。
例えば1/2+1/3=5/6のように、異なる単位分数を組み合わせて一つの分数を表す考え方です。
今回の問題も、1つの分数を3つの単位分数に分解する問題であり、整数の性質を利用して解を限定していくことが重要になります。
まとめ
「1/6=1/a+1/b+1/c」を満たす自然数a,b,cは、条件a≦b≦cを付けることで有限個に限定されます。
aには18以下という上限があり、さらにbやcにも制限が生まれるため、無限に解が存在するわけではありません。
実際に調べると条件を満たす組み合わせは11通り存在します。このような問題では、不等式によって範囲を絞り、分数方程式を整数問題として扱うことが解決へのポイントになります。


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