夏の風物詩ともいえるセミの鳴き声ですが、以前は毎年聞こえていたのに、最近は急に静かになったと感じる地域もあります。木を確認するとセミ自体はいるのに、なぜ鳴かないのか疑問に思う人も少なくありません。
セミが鳴く仕組みには、種類や気温、時間帯、周囲の環境など多くの要素が関係しています。この記事では、セミが近くにいるのに鳴き声が減ったように感じる理由や、全国的な傾向なのかについて詳しく解説します。
セミが鳴くのは主にオスがメスを呼ぶため
セミの鳴き声は、すべてのセミが出しているわけではありません。大きな声で鳴いているのは基本的にオスのセミで、メスを呼ぶための求愛行動として鳴いています。
そのため、木にセミが数匹いても、その多くがメスだったり、まだ成熟していない個体だったりすると、鳴き声はほとんど聞こえない場合があります。
例えば、以前はオスが多く集まる木だった場所でも、その年の個体数の割合によっては静かな状態になることがあります。
気温や天候の変化でセミの鳴く時間は変わる
セミは気温の影響を強く受ける昆虫です。種類によって適した気温が異なり、暑すぎる日や気温が低い日は鳴く活動が弱まることがあります。
近年は夏の猛暑日が増えており、昼間の最も暑い時間帯にはセミがあまり鳴かず、早朝や夕方に活動するケースも増えています。
例えば、以前は昼間に大合唱していた場所でも、現在は朝の短い時間だけ鳴いているため、人が気づきにくくなっている可能性があります。
都市環境の変化がセミの鳴き声に影響することもある
セミは幼虫時代を土の中で過ごします。そのため、木が残っていても周囲の土壌環境が変化すると、次世代のセミの数に影響することがあります。
公園や街路樹があっても、地面が舗装されたり、土が固くなったりすると、セミが成長しにくい環境になる場合があります。
例えば、以前は木の周辺に土の場所が多かった公園が、改修によって舗装部分が増えると、数年後にセミの数が減ることがあります。セミは成虫になるまで数年間土の中で暮らすため、環境変化の影響が表れるまで時間差があります。
セミの種類によって鳴き方や発生時期が違う
日本にはアブラゼミ、ミンミンゼミ、クマゼミ、ツクツクボウシなど複数の種類がいます。それぞれ鳴く時期や時間帯が異なります。
例えば、以前よく聞こえていた種類が減り、別の種類が増えた場合、人には「セミが鳴かなくなった」と感じられることがあります。
また、地域によってはクマゼミの分布が広がるなど、気候変化による種類の変化も報告されています。
全国的にセミが鳴かなくなっているのか
一部の地域ではセミの鳴き声が減ったと感じる声がありますが、日本全国で一律にセミが減少しているとは言い切れません。
セミの数は、その年の天候、幼虫時代の環境、都市化、樹木の状態など複数の条件によって変動します。
前年に雨が多かった、夏の気温が極端だった、近所の環境が少し変わったなど、小さな変化でも数年間後のセミの発生数に影響することがあります。
近所の木にセミがいるのに静かな場合に考えられること
木に5〜6匹程度のセミが確認できる場合でも、以前のような大きな鳴き声が聞こえない理由はいくつか考えられます。
例えば、鳴いている時間帯が変わった、オスの数が少ない、気温が高すぎて休んでいる、周囲の騒音環境が変化したなどが考えられます。
また、セミは外敵から身を守るため、必要以上に鳴かないこともあります。近くに人が多い場所や環境が変化した場所では、活動パターンが変わる場合もあります。
まとめ
セミが木にいるのに鳴かなくなったように感じる原因は、単純にセミがいなくなったからとは限りません。
オスの割合、気温や天候、都市環境の変化、セミの種類の変化など、さまざまな要因が重なって鳴き声の聞こえ方が変化します。
以前と比べて夏が静かになったと感じても、その地域の環境やセミの生活サイクルを考えると、自然な変化である可能性もあります。身近な木に残るセミの姿を観察することで、季節や環境の変化を知るきっかけにもなります。


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