ミリバールからヘクトパスカルへ変わった理由とは?低気圧の単位変更の歴史と現在も使う国

気象、天気

天気予報で低気圧の強さを表す単位として、現在は「ヘクトパスカル(hPa)」が使われています。しかし、昔の天気予報では「ミリバール(mb)」という言葉を聞いた記憶がある人も多いでしょう。

なぜミリバールからヘクトパスカルへ変更されたのか、いつ頃変わったのか、また現在でもミリバールを使っている国があるのかについては、単なる言葉の変更ではなく、国際的な単位制度の統一が関係しています。

この記事では、気圧の単位が変化した背景や、ミリバールとヘクトパスカルの違い、現在の世界での扱いについて詳しく解説します。

ミリバールとヘクトパスカルは実は同じ大きさの単位

ミリバール(mb)とヘクトパスカル(hPa)は、名前は違いますが、表している気圧の大きさは同じです。

1ミリバールは1ヘクトパスカルと同じ値であり、例えば台風の中心気圧が「950ミリバール」と発表されていた時代の数値は、現在なら「950ヘクトパスカル」と表現されます。

つまり、天気予報で使われる数字そのものが変わったわけではなく、単位の呼び方だけが変更されたと考えると分かりやすいでしょう。

日本でミリバールからヘクトパスカルへ変わった時期

日本では1992年(平成4年)に、気象庁が気圧の単位をミリバールからヘクトパスカルへ変更しました。

この変更は、日本独自の判断というより、国際的な単位体系に合わせるために行われたものです。世界的に科学や技術分野では国際単位系(SI単位)が広く採用されるようになり、気圧についても統一的な表記が求められるようになりました。

そのため、以前から使われていたミリバールという単位から、国際単位系に適合したヘクトパスカルへ移行する流れになりました。

なぜミリバールではなくヘクトパスカルになったのか

ミリバールは「バール」という気圧単位を基準にした単位で、気象分野では長く利用されてきました。しかし、国際的には単位を統一する動きが進んでいました。

ヘクトパスカルは、国際単位系で認められている圧力の単位である「パスカル」に接頭語の「ヘクト(100倍)」を付けたものです。

気圧は通常のパスカルで表すと数字が非常に大きくなります。例えば標準的な大気圧は約101325パスカルですが、これを1013.25ヘクトパスカルと表すことで、天気予報などで扱いやすい数字になります。

単位変更は英語からフランス語への変更ではない

ミリバールからヘクトパスカルへの変更について、「英語表記からフランス語表記になったのでは」と考える人もいますが、これは少し違います。

ヘクトパスカルという名称は、フランスの数学者・物理学者であるブレーズ・パスカルの名前に由来しています。しかし、単位名をフランス語に変えたという意味ではなく、国際的に定められた単位表記へ変更されたということです。

科学の世界では、人名に由来する単位が多く使われています。例えば電圧のボルトや温度のケルビンなども、人名が元になっています。

現在でもミリバールを使っている国はあるのか

現在、多くの国ではヘクトパスカルが一般的な気圧単位として使われています。しかし、一部の地域や分野では、現在でもミリバールという表現が見られる場合があります。

特に古い資料や一部の航空・気象関連の文献では、慣習的にミリバール表記が残っていることがあります。また、一般の人々が昔から使ってきた単位を会話の中で使うケースもあります。

ただし、国際的な気象観測や航空気象の分野では、現在はヘクトパスカルが標準的な表記として広く利用されています。

気圧の単位変更で天気予報の内容は変わったのか

ミリバールからヘクトパスカルへの変更によって、天気予報の内容や台風の強さの判断基準が変わったわけではありません。

例えば、以前「中心気圧950ミリバールの台風」と呼ばれていたものは、現在では「中心気圧950ヘクトパスカルの台風」と表現されます。数字が同じなので、台風の勢力評価もそのまま引き継がれています。

単位変更によって変化したのは、主に科学的な表記方法であり、私たちが天気を見る上で重要な気圧の情報自体は変化していません。

まとめ

ミリバールからヘクトパスカルへの変更は、1992年に日本で行われた国際的な単位統一の流れによるものです。

両者は実際には同じ大きさを示す単位であり、950ミリバールは950ヘクトパスカルとしてそのまま置き換えることができます。

現在ではヘクトパスカルが世界の気象分野で標準的に使われていますが、昔の資料や一部の分野ではミリバールという表現が残っています。単位の名前は変わっても、気圧という自然現象を測る仕組みそのものは変わっていないのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました