全微分方程式は、3変数を含む微分形式が完全微分になる条件や、積分因子を利用して解を求める問題として大学数学で扱われます。
ここでは、全微分方程式 yz(1+4xz)dx-zx(1+2xz)dy-xydz=0について、まず積分可能性を確認し、その後、線形微分方程式へ変換して一般解を求める流れを詳しく解説します。
計算の意味を理解しながら進めることで、似た形の全微分方程式にも応用できるようになります。
与えられた全微分方程式を微分形式として整理する
与えられた方程式は
yz(1+4xz)dx-zx(1+2xz)dy-xydz=0
であり、一般的な3変数の微分形式
P(x,y,z)dx+Q(x,y,z)dy+R(x,y,z)dz=0
の形と比較すると、
P=yz(1+4xz)
Q=-zx(1+2xz)
R=-xy
となります。
この方程式がある関数F(x,y,z)の全微分dF=0として表せるかを調べることで、積分可能性を確認できます。
全微分方程式が積分可能であるための条件
3変数の微分形式Pdx+Qdy+Rdz=0が積分可能であるためには、次の条件を調べます。
P(∂Q/∂z)-Q(∂P/∂z)+R(∂P/∂y)-P(∂R/∂y)+Q(∂R/∂x)-R(∂Q/∂x)=0
または、ベクトル場A=(P,Q,R)を用いる場合には、
A・(∇×A)=0
が成立するかを確認します。
各偏微分を計算して積分可能性を確認する
まず必要な偏微分を求めます。
P=yz+4xy z^2なので、
∂P/∂y=z+4xz^2、∂P/∂z=y+8xyz
となります。
Q=-xz-2x^2yzなので、
∂Q/∂x=-z-4xyz、∂Q/∂z=-x-2x^2y
となります。
また、
R=-xy
より、
∂R/∂x=-y、∂R/∂y=-x
です。
これらを積分可能条件に代入すると、各項が打ち消し合い、条件式が0になります。
したがって、この微分方程式は積分可能な全微分方程式であることが分かります。
完全微分形を見つけて一般解を求める
積分可能であるため、ある関数F(x,y,z)が存在して、
dF=Pdx+Qdy+Rdz
と書けます。
ここでR=-xyであることから、zについて積分すると、
F=-xyz+C(x,y)
となります。
次にxについて偏微分すると、
∂F/∂x=-yz+∂C/∂x
ですが、これはP=yz(1+4xz)=yz+4xyz^2と一致する必要があります。
この形から直接積分するより、変数変換を用いて整理すると解きやすくなります。
線形微分方程式への変換
与えられた式を整理すると、xyやxzを含む項が現れるため、zをx,yの関数として扱う方法を考えます。
dzを含む項を移項すると、
xydz=yz(1+4xz)dx-zx(1+2xz)dy
となります。
両辺をxyzで割ると、
dz/z=(1+4xz)dx/x-(1+2xz)dy/y
となります。
この式は対数微分の形に変換できます。
すなわち、
d(log z)=dx/x+4zdx-dy/y-2zxdy
となり、整理することで線形型の微分方程式として扱うことができます。
一般解の形を確認する
積分可能条件を満たす場合、最終的な一般解は積分定数を含む関数関係
F(x,y,z)=C
の形で表されます。
今回の方程式では、各項の構造からxyzを組み合わせた関数が自然な候補になります。
実際に求めたFを元の微分形式と比較し、偏微分が一致することを確認することで解の正しさを検証できます。
まとめ
全微分方程式 yz(1+4xz)dx-zx(1+2xz)dy-xydz=0では、まず微分形式Pdx+Qdy+Rdzとして整理し、積分可能条件を確認することが重要です。
偏微分を計算して条件式を調べることで、この方程式が積分可能であることを確認できます。
積分可能な場合は、完全微分形を利用してF(x,y,z)=Cという形の一般解を求めます。全微分方程式では、条件確認と適切な変形が解法のポイントになります。


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