三角比や三角関数を学んでいると、第三象限にある角度でタンジェントの値が負になることに疑問を感じることがあります。特に俯角(ふかく)を扱う問題では、図の見方によって符号の判断が混乱しやすい部分です。
しかし、tanの符号は角度の名前や見た目だけで決まるのではなく、座標平面上でのx座標とy座標の符号によって決まります。
この記事では、第三象限でtanが負になる理由や、俯角の問題で符号を間違えないための考え方を具体例を使って解説します。
tanの値はsinとcosの関係で決まる
タンジェントは、三角関数では次のように定義されます。
tanθ=sinθ÷cosθ
つまり、tanの符号を判断するには、sinθとcosθがそれぞれ正なのか負なのかを見る必要があります。
また、単位円で考える場合、sinはy座標、cosはx座標に対応します。そのため、角度がどの象限にあるかによって符号が決まります。
第三象限ではsinもcosも負になる
座標平面では、第三象限はx座標もy座標も負になる場所です。
そのため、第三象限の角度θでは、cosθ(x座標)が負、sinθ(y座標)も負になります。
これをtanの式に当てはめると、tanθ=sinθ÷cosθなので、
tanθ=(負)÷(負)=正
となります。
つまり、通常の三角関数の考え方では、第三象限のtanは負ではなく正になります。
第三象限のtanが負に見える原因
第三象限でtanが負になるように見える場合、多くは「角度の取り方」や「俯角の表現方法」に原因があります。
例えば、図形問題では角度を時計回りに測ったり、基準となる方向を変えたりすることがあります。その場合、数学で定義される角θと、図の中で見ている角度が一致していないことがあります。
また、俯角は水平線より下に向かう角度なので、通常は負の方向を表すことがあります。しかし、これは角度そのものの符号であり、三角関数の値の符号とは別に考える必要があります。
俯角の問題ではtanの符号をどう考えるか
俯角の問題では、観測者から見た水平線より下方向の角度を扱います。例えば、建物の上から地面を見る場合、視線は下向きになります。
このとき、図を座標平面に置くと、距離や高さを表す長さは通常すべて正の値として扱います。
例えば、建物の高さをh、地面までの水平距離をxとすると、俯角θについては、
tanθ=h÷x
のように正の値として計算することが一般的です。
つまり、実際の長さを求める問題では、俯角だから必ずtanが負になるわけではありません。
三角関数の符号を判断する覚え方
三角関数の符号は、象限ごとに覚えると混乱が少なくなります。
| 象限 | sin | cos | tan |
|---|---|---|---|
| 第一象限 | + | + | + |
| 第二象限 | + | − | − |
| 第三象限 | − | − | + |
| 第四象限 | − | + | − |
この表から分かるように、第三象限ではtanは正になります。
覚え方としては、第三象限ではsinとcosが同じ符号になるため、割り算をするとtanは正になると考えると理解しやすくなります。
図形問題で符号を間違えないためのポイント
図形問題では、計算上の長さと座標上の値を区別することが大切です。
例えば、地面までの距離を「−10m」と表す必要はありません。距離は量なので通常は正の値で扱います。
一方、座標や方向を表す場合には、右方向を正、左方向を負、上方向を正、下方向を負として考えるため、符号が変わります。
この違いを理解すると、俯角や仰角の問題でtanの符号に迷うことが少なくなります。
まとめ
第三象限では、sinとcosがどちらも負になるため、tanは「負÷負」となり正になります。
もし第三象限でtanが負になるように見えた場合は、角度の定義や図の読み取り方を確認する必要があります。
特に俯角の問題では、角度の向きと距離の符号を混同しやすいため、三角関数の符号と図形上の長さを分けて考えることが重要です。


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