カセットデッキのモーターが高速回転する原因と速度調整の方法|半固定抵抗が効かない場合の対処法

工学

カセットデッキの修理では、モーター交換後にテープ速度が異常に速くなるトラブルが発生することがあります。交換前と同じ型番のモーターを取り付けたはずなのに、倍速以上で回転したり、速度調整用の半固定抵抗を回しても変化しなかったりする場合は、いくつか確認すべきポイントがあります。

モーター自体が原因の場合もありますが、電源電圧や制御回路、交換したモーターの仕様違いなどが原因になっているケースもあります。

この記事では、カセットデッキのモーター交換後に回転速度が速すぎる場合の原因と、正常な速度へ戻すための確認方法について詳しく解説します。

カセットデッキのモーターが速く回りすぎる主な原因

カセットデッキのテープ速度は、単純にモーターの回転数だけで決まっているわけではありません。多くの機種では、DCモーター内部の制御回路によって一定速度になるよう調整されています。

そのため、同じ外観や取り付け寸法のモーターであっても、内部の制御方式や定格電圧が違う場合、正常に動作しないことがあります。

例えば、6V用として設計されたモーターを12V相当の電圧で動かしてしまうと、回転数が大幅に上昇する可能性があります。

交換したモーターの仕様が本当に同じか確認する

モーター交換後に速度が異常になる場合、まず確認したいのは交換品の仕様です。外見が同じでも、型番の末尾違いやロット違いによって回転特性が異なることがあります。

確認するポイントとしては、モーターの定格電圧、回転数、消費電流、内蔵制御回路の有無などがあります。

特にカセットデッキ用モーターでは、単なる回転するだけのモーターではなく、内部に速度制御用の電子回路を持ったタイプが多く使われています。

半固定抵抗で速度調整できない場合に確認すること

速度調整用の半固定抵抗を動かしても回転速度が変化しない場合、モーター側の制御方式が合っていない可能性があります。

本来、半固定抵抗はモーター内部または制御回路へ送る基準電圧を調整するためのものです。しかし、交換したモーター内部の制御回路が異なる場合、調整範囲外になってしまうことがあります。

例えば、元のモーターが外部調整対応タイプだったのに、交換品が内部固定タイプだった場合、デッキ側の半固定抵抗を回してもほとんど変化しません。

電源電圧が正常か測定する

モーター交換後の異常回転では、モーター端子に供給されている電圧を確認することも重要です。

テスターを使ってモーターへ供給される電圧を測定し、サービスマニュアルなどに記載された値と比較します。

例えば、本来3V程度で動作するモーターに6V以上が供給されている場合、速度調整では対応できず、高速回転してしまいます。

モーター内部の速度調整機構を確認する

一部のDCモーターには、背面に小さな速度調整穴や調整用トリマーが存在します。交換したモーターによっては、デッキ基板側ではなくモーター側で速度調整する仕様の場合があります。

そのため、モーター背面や側面に調整部分がないか確認するとよいでしょう。

ただし、むやみに調整すると基準位置が分からなくなる場合があるため、交換前のモーター設定値や正常な回転状態を参考にしながら慎重に行う必要があります。

カセットデッキの速度調整を行う正しい方法

カセットデッキの速度調整は、耳で音程を確認するだけでは正確ではありません。通常は基準周波数のテストテープを再生し、周波数カウンターやワウ・フラッター測定器などを使って調整します。

一般的な手順は、まずメカ部分が正常に動作していることを確認し、その後モーター速度調整を行います。

テープ走行部分のゴムベルトやキャプスタン、ピンチローラーの状態が悪い場合も速度異常につながるため、モーターだけでなく周辺部品も確認することが大切です。

交換後に倍速以上になった場合の対処手順

モーター交換後に高速回転する場合は、以下の順番で確認すると原因を特定しやすくなります。

1.交換したモーターの型番と仕様を確認する
元のモーターと定格電圧や制御方式が一致しているか確認します。

2.モーターへの供給電圧を測定する
異常な電圧がかかっていないか確認します。

3.速度調整回路や半固定抵抗の状態を確認する
接触不良や回路故障がないか確認します。

4.モーター側の調整機構を確認する
交換品が内部調整式ではないか確認します。

まとめ

カセットデッキのモーター交換後に倍速以上で回転する場合、単純な速度調整不足ではなく、モーターの仕様違いや供給電圧、制御回路の違いが原因であることが多くあります。

半固定抵抗が効かない場合は、まず交換したモーターが元のものと同じ制御方式であるかを確認することが重要です。

正しい速度に戻すためには、モーターの型番確認、電圧測定、速度調整機構の確認を順番に行うことで、原因を切り分けやすくなります。

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