盆踊りなどで広く親しまれている「炭坑節」は、炭鉱で働く人々の生活や作業風景をもとに生まれた民謡です。「掘って掘ってまた掘って」「担いで担いで後戻り」といった歌詞には、炭鉱労働の様子や踊りの動きが表現されています。
一方で、「後戻り」や「チョチョンガチョン」という部分は、単純な作業描写なのか、踊りの掛け声なのか分かりにくい部分でもあります。この記事では、炭坑節の歌詞や踊りの意味をひも解きながら、その背景にある炭鉱文化について解説します。
炭坑節とはどのような民謡なのか
炭坑節は、福岡県筑豊地方などの炭鉱地域で歌われていた民謡をもとに全国へ広まった盆踊り歌です。特に「月が出た出た 月が出た」という歌い出しで知られています。
もともとは炭鉱で働く人々の間で歌われた作業歌で、厳しい坑内労働の中で気持ちを合わせたり、作業のリズムを整えたりする役割がありました。
現在の炭坑節は盆踊りの定番曲として楽しまれていますが、歌詞や振り付けには当時の炭鉱労働の記憶が残っています。
「掘って掘ってまた掘って」は何を表しているのか
「掘って掘ってまた掘って」という歌詞は、そのまま石炭を採掘する作業を表しています。
炭鉱では、地下深くまで坑道を掘り進み、石炭のある場所を探して採掘していました。つるはしなどを使って石炭層を掘る動作が、踊りの腕の動きとして表現されています。
同じ言葉を繰り返すことで、単調でありながら力の必要な採掘作業のリズムも感じられるようになっています。
「担いで担いで後戻り」は何を意味するのか
「担いで担いで後戻り」は、掘り出した石炭を運搬する作業を表しています。
昔の炭鉱では、採掘した石炭を袋や籠などに入れ、それを担いで坑道内から運び出していました。特に地下の狭い場所では、前へ進むだけでなく、状況によって後ろ向きに移動することもありました。
また、踊りの振り付けでは、担ぐ動作をした後に少し後ろへ下がることで、この歌詞の情景を表現しています。「後戻り」は単なる失敗や引き返しではなく、炭鉱内で石炭を運ぶ動きを表したものと考えられます。
「チョチョンガチョン」は何を表しているのか
「チョチョンガチョン」は、作業そのものを表す言葉というより、踊りや歌のリズムを整える掛け声として使われています。
民謡では、意味のある言葉だけでなく、「ヨイショ」「ソーラン」などのように、動きやリズムを盛り上げるための囃子詞(はやしことば)が入ることがあります。
炭坑節の「チョチョンガチョン」も、鉱夫たちが作業の合間や踊りの場でリズムを合わせるための音として定着したものです。特定の道具や作業工程を直接表しているわけではありません。
炭坑節の踊りには炭鉱作業の動きが残っている
炭坑節の振り付けを見ると、腕を上下に動かす動作、物を担ぐような動き、後ろへ下がる動作などが含まれています。
これは単なる振り付けではなく、炭鉱で働く人々の日常の動きを取り入れたものです。踊ることで、歌詞の内容を身体で表現できるようになっています。
例えば「掘る」動きでは地下で石炭を採る様子を、「担ぐ」動きでは重い石炭を運ぶ苦労を感じ取ることができます。
まとめ|炭坑節の歌詞は炭鉱で働いた人々の記録
炭坑節の「掘って掘ってまた掘って」は石炭採掘の作業、「担いで担いで後戻り」は石炭を運ぶ姿を表しています。
一方で「チョチョンガチョン」は具体的な作業ではなく、民謡によくあるリズムを整える囃子詞です。
炭坑節は単なる盆踊りの曲ではなく、炭鉱で働いた人々の生活や苦労、仲間との一体感を後世に伝える文化的な歌です。歌詞や踊りの意味を知ることで、昔の炭鉱町の情景をより深く感じることができます。


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