三次式の因数分解では、見た目だけではどこから手をつければよいのか分からないことがあります。特に「(x+2)(x²-2x+5)」のような式では、展開された式から逆に因数を見つける必要があります。この記事では、三次式の因数分解の考え方や、なぜ割り算を使うのか、筆算で混乱しやすいポイントについて分かりやすく解説します。
因数分解は展開の逆の計算
因数分解を理解するには、まず展開との関係を知ることが大切です。展開とは、かけ算の形になっている式を足し算の形に広げる計算です。
例えば、(x+2)(x²-2x+5)を展開すると、次のようになります。
(x+2)(x²-2x+5)
=x(x²-2x+5)+2(x²-2x+5)
=x³-2x²+5x+2x²-4x+10
=x³+x+10
つまり、この式を因数分解するということは、x³+x+10のような形から元のかけ算の形を見つける作業になります。
因数分解ではまず共通する因数や因数候補を探す
三次式を因数分解するときは、まずどんな式で割り切れるかを考えます。
今回の式を展開した結果はx³+x+10です。この式でx=-2を代入すると、
(-2)³+(-2)+10=-8-2+10=0
となります。代入して0になるということは、x+2で割り切れるという意味です。
つまり、x+2はこの三次式の因数の1つになります。
なぜx²-2x+5÷x+2を考えるのか
因数の1つが分かったら、残りの因数を求めるために割り算をします。
例えば、ある三次式が「(x+2)×(何か)」という形だと分かった場合、元の三次式をx+2で割れば、残りの「何か」を求めることができます。
これは数字の場合でも同じです。例えば12を3で割ると4が出ますが、これは12が「3×4」という形で表せることを意味します。多項式でも同じ考え方を使っています。
多項式の割り算でxから2x²を引く理由
多項式の筆算で混乱しやすい部分は、最初の引き算です。例えば、x²-2x+5をx+2で割るような場合、次数(xの何乗か)を合わせながら計算します。
多項式の割り算では、割る式の一番大きな項に合わせて商を決めます。例えば、x²をxで割るとxになります。そのため、最初の商はxになります。
そして、x(x+2)を計算するとx²+2xになります。これを元の式から引きます。
(x²-2x+5)-(x²+2x)
ここでx²同士が消え、残りは-4x+5になります。
つまり「xから2x²を引く」という考え方ではなく、「一番大きい次数の項を消すように計算する」というのが正しい考え方です。
(x+2)(x²-2x+5)の形を理解するポイント
この式は、実は因数分解の結果として書かれている形です。左側の(x+2)が一次式の因数、右側の(x²-2x+5)が二次式の因数になっています。
二次式x²-2x+5は、平方完成すると、
x²-2x+5=(x-1)²+4
となります。
(x-1)²は必ず0以上なので、この式は常に4以上になります。そのため、実数の範囲ではさらに分解することはできません。
三次式の因数分解で大切なのは割れる数を探すこと
三次式の因数分解では、いきなり式を変形しようとすると難しく感じます。まずは「どんな一次式で割れるか」を探すことが基本です。
特に、x=aを代入して0になる値を探す方法は重要です。0になる場合、その値に対応する(x-a)が因数になります。
例えば、x=-2を代入して0になるなら、(x+2)が因数になるという関係を覚えておくと、三次式の因数分解が解きやすくなります。
まとめ|因数分解と割り算は逆算の考え方で理解する
(x+2)(x²-2x+5)のような三次式の問題では、因数分解は展開の逆の作業だと考えることが大切です。
また、多項式の割り算では「大きな次数の項を消すように商を決める」というルールがあります。xから2x²を引くように見える部分も、実際には次数をそろえて項を消しているだけです。
三次式の因数分解は、因数の候補を探すことと、多項式の割り算の仕組みを理解することで解けるようになります。


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