駿台の現代文で扱われた村上春樹「スイッチを切る」作品は?『1973年のピンボール』の可能性を検証

文学、古典

予備校や学校の現代文で読んだ小説について、作品名だけ思い出せないことがあります。村上春樹の作品で、物語の終盤に「スイッチを切る」描写があり、その行為が作品全体の構成上重要だったという記憶から探す場合、かなり有力な候補となるのが『1973年のピンボール』です。本作には終盤、主人公の「僕」がピンボール・マシーンのある場所を去る際にスイッチを切る場面があり、講談社による作品紹介でも「電灯のスイッチを切って」去るくだりが取り上げられています。[参照]

有力候補は村上春樹『1973年のピンボール』

『1973年のピンボール』は村上春樹の初期作品で、『風の歌を聴け』に続く作品です。講談社文庫版の書誌情報では192ページの小説で、作品紹介では東京で友人と翻訳事務所を経営する「僕」と、故郷の街で暮らす「鼠」が描かれ、それぞれが過去や青春との区切りに向かっていく物語として紹介されています。

「終盤にスイッチを切る描写があった」という記憶と特に一致するのが、「僕」が探し求めていたピンボール・マシーンと対面した後の場面です。そこで「僕」はその場所から立ち去る際、ピンボールのレバー・スイッチを切り、さらに電灯も消して外へ出ます。

実際、出版書誌データベースの同作の紹介文にも、電灯のスイッチを切って扉を閉めるまで後ろを振り向かなかった、という趣旨の一節が掲載されています。「終盤」「スイッチ」「その描写が重要だった」という複数の記憶が重なるため、作品名を特定する手掛かりとしては非常に強い一致といえます。[参照]

なぜ「スイッチを切る」ことが重要なのか

この場面は、単に部屋を出るために照明や機械の電源を切った、とだけ読むこともできます。しかし小説全体の流れを踏まえると、より象徴的な意味を読み取ることができます。

『1973年のピンボール』では、「僕」がかつて夢中になった特定のピンボール・マシーンを探すことが重要なモチーフになっています。したがって、そのピンボールとの再会を果たした後に自らスイッチを切ってその場所を去る行為は、過去への執着や一つの時代に区切りをつける動作として読むことができます。

講談社系の作品紹介でも、本作は「僕」と「鼠」がそれぞれの形で青春に別れを告げる物語として説明されています。そのため、スイッチによって機械の活動が終わり、そこから主人公が立ち去る構成は、作品のテーマと結び付けて読むことができます。[参照]

「スイッチを切る」という具体的動作が象徴になる

現代文の小説問題では、人物の心理が直接「私は過去と決別した」のように説明されるとは限りません。むしろ、人物の動作、風景、物の変化、会話などを通じて心理やテーマが表現されることがあります。

例えば「昔の手紙を破って捨てた」という文章があった場合、それは紙を処分したという事実だけでなく、文脈によっては過去の人間関係との決別を象徴します。同じように、長く探していたピンボール・マシーンとの再会後に自らスイッチを切るのであれば、その前後の展開との関係を考えることが重要になります。

さらに『1973年のピンボール』の場合、電気が入って活動している機械と、それを消して立ち去る人物という対比があります。こうした具体的な描写を作品全体の構造と結び付ける読み方は、大学入試の現代文でも重要です。

記憶にある作品か確認するためのチェックポイント

作品名に確信が持てない場合は、覚えている細部を候補作品と照合すると特定しやすくなります。『1973年のピンボール』については、次の特徴が記憶と一致するか確認するとよいでしょう。

記憶の手掛かり 『1973年のピンボール』との一致
作者が村上春樹 一致
ピンボールが重要な題材 一致
終盤にスイッチを切る場面 一致
レバー・スイッチを切る 一致
電灯のスイッチも切って立ち去る 一致
過去との別れを想起させる構成 作品紹介・物語の流れと整合する

特に「ピンボール」という言葉に見覚えがあるなら、この作品である可能性はさらに高くなります。一方、授業年度や駿台御茶ノ水校の特定クラスで実際に採用された教材そのものについては、公開情報だけから断定できるとは限りません。「2019年ごろの駿台の授業で必ずこの作品が使用された」と「記憶にある描写とこの作品が一致する」は分けて考えるのが正確です。

作品を探すときは「作者+覚えている動作」で検索する

昔読んだ小説を探す際、ストーリー全体を覚えていなくても、特徴的な動作や物が分かれば検索できます。「村上春樹 スイッチ ピンボール」「村上春樹 電灯 スイッチ」のように、作者名と記憶に残った具体的な語を組み合わせる方法が有効です。

書籍販売サイトだけでなく、出版社や書誌データベースの作品紹介を確認するのも重要です。『1973年のピンボール』の場合、書誌情報そのものに終盤のスイッチに関係する文章が紹介されているため、記憶との照合がしやすい作品です。

なお、作品本文を確認するときは、ウェブ上の無断転載ではなく、書籍や正規の電子書籍を利用するのが確実です。版によってページ番号が異なる場合もあるため、「何ページだったか」より場面や語句で確認する方が探しやすいでしょう。

まとめ|「終盤のスイッチ」が手掛かりなら『1973年のピンボール』が有力

村上春樹の作品で、「終盤にスイッチを切る描写がある」「その描写が作品の構成上重要だった」という記憶から探すなら、『1973年のピンボール』が非常に有力な候補です。実際に同作の終盤には、主人公がピンボールのレバー・スイッチを切り、さらに電灯を消してその場所から去る場面があります。

また本作は、一つの季節や青春との別れが重要なテーマとして紹介されており、「スイッチを切って立ち去る」という具体的な動作を作品全体の意味と結び付けて解釈できる構成になっています。

ただし、2019年ごろの駿台御茶ノ水校の東大クラスで実際に使用された教材が同作だったかどうかは、当時のテキストや授業記録を確認しない限り断定できません。作品の描写に関する記憶からは『1973年のピンボール』が強く一致する、というところまでを根拠のある結論としておくのが適切です。

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