数列の問題では、具体的な値をすべて求めるのではなく、数列の性質や符号の変化を調べることが重要になります。今回は、複雑な形をした漸化式から「隣り合う項の積が常に負になる」ことを示す考え方について解説します。符号に注目した数列の証明方法を理解することで、似た問題にも対応できるようになります。
問題の数列の特徴を整理する
与えられた数列は、
a₁=2
aₙ₊₁=((a₁-1)(a₂-2)・・・(aₙ-n))/n!
という形で定められています。
この式を見ると、aₙ₊₁を求めるために、それまでの項a₁、a₂、…、aₙを利用しています。一見すると複雑ですが、証明で重要なのは値そのものではなく、各項の符号です。
示したいことは、n≧2に対して
aₙ×aₙ₊₁<0
つまり、隣り合う2つの項が必ず異なる符号を持つことです。
まず最初の項を求めて符号を確認する
最初の項はa₁=2です。次にa₂を求めます。
n=1を代入すると、
a₂=(a₁-1)/1!
となります。
a₁=2なので、
a₂=2-1=1
となります。
したがって、最初の2項はどちらも正ですが、問題ではn≧2について考えるため、a₂以降の符号の関係を見る必要があります。
漸化式からaₙ₊1の符号を考える
ポイントは、aₙ₊₁の式に含まれる積です。
aₙ₊₁=((a₁-1)(a₂-2)・・・(aₙ-n))/n!
ここで分母のn!は自然数なので必ず正です。そのため、aₙ₊₁の符号は分子である、
(a₁-1)(a₂-2)・・・(aₙ-n)
の符号だけで決まります。
つまり、各因子aₖ-kがどの符号になるかを調べることが証明の中心になります。
aₙとaₙ₊1の符号が逆になることを示す
ここで重要な関係を考えます。漸化式より、aₙ₊₁には最後の因子として(aₙ-n)が含まれています。
つまり、
aₙ₊₁の符号は、過去の因子の積の中にaₙ-nを含んでいます。
この数列では、数学的帰納法を用いて、
aₙはnより小さい
という性質を利用します。
すると、
aₙ-n<0
となります。
したがって、aₙ₊₁は、それまでの積に対して負の因子を1つ追加したものになります。その結果、直前のaₙとは反対の符号になります。
数学的帰納法による証明の流れ
このような数列の性質を示す場合、数学的帰納法が有効です。
まずn=2の場合を確認します。
計算によってa₂とa₃の符号が異なることを確認できます。
次に、あるnについて性質が成立すると仮定し、n+1の場合を考えます。
仮定よりaₙとaₙ₊₁の符号は逆です。そして漸化式からaₙ₊₂を考えると、aₙ₊₁-n-1に対応する負の因子が加わるため、さらに符号が反転します。
よって、aₙ₊₁とaₙ₊₂も符号が異なり、帰納的にすべてのn≧2で成立します。
この問題で大切な考え方
この問題では、数列の値を正確に求めることよりも、「符号だけを見る」という考え方が重要です。
漸化式が複雑に見える場合でも、分母が必ず正であることや、積の中にどのような因子が含まれているかを見ることで、性質を発見できます。
特に、aₙ×aₙ₊₁<0のような問題では、「隣り合う項の符号が変化する理由」を探すことが解答への近道になります。
まとめ|数列の符号問題は漸化式の構造を見る
今回の数列では、aₙ₊₁が過去の項を利用した積で表されているため、値を直接求めるよりも符号の変化に注目することが重要です。
分母n!は常に正なので、符号は分子の積によって決まり、その中に含まれる因子によって隣り合う項の符号が反転します。
数列の証明問題では、複雑な式を見たときに「何を計算するか」ではなく「どんな性質が隠れているか」を考えることが解法につながります。


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