呼気中の二酸化炭素の割合を求める問題は、水酸化バリウムと二酸化炭素の反応、さらに余った水酸化バリウムを塩酸で滴定する流れを理解することが重要です。一見すると複雑に見えますが、「最初に入れた塩基の量」と「反応後に残った塩基の量」の差から二酸化炭素の量を求める問題です。
この記事では、高校化学基礎でよく出題される呼気中の二酸化炭素測定問題について、反応式の立て方から計算手順まで順番に解説します。
まず確認する化学反応式
呼気中の二酸化炭素は、水酸化バリウム水溶液と反応して白色沈殿の炭酸バリウムを作ります。
反応式は次のようになります。
CO₂ + Ba(OH)₂ → BaCO₃↓ + H₂O
この反応式から、二酸化炭素1molと水酸化バリウム1molが反応することが分かります。また、生成する白色沈殿は炭酸バリウム(BaCO₃)です。
最初に用意した水酸化バリウムの物質量を求める
使用した水酸化バリウム水溶液は0.020mol/Lで100mLです。
100mLは0.100Lなので、水酸化バリウムの物質量は次の式で求められます。
0.020mol/L × 0.100L = 0.0020mol
つまり、最初に容器内には0.0020molのBa(OH)₂が存在していました。
滴定結果から残った水酸化バリウムの量を求める
二酸化炭素と反応した後、上澄み液には反応せずに残った水酸化バリウムが含まれています。この残量を塩酸による中和滴定で調べます。
上澄み液10.0mLを中和するのに、0.020mol/Lの塩酸を6.0mL使用しています。
塩酸の物質量は、
0.020mol/L × 0.0060L = 0.00012mol
となります。
水酸化バリウムと塩酸の反応式は、
Ba(OH)₂ + 2HCl → BaCl₂ + 2H₂O
です。
この式より、Ba(OH)₂ 1molに対してHClは2mol必要なので、10.0mL中に残っていたBa(OH)₂は、
0.00012mol ÷ 2 = 0.000060mol
となります。
容器全体に残っていた水酸化バリウム量を求める
滴定したのは全体100mLのうち10.0mLなので、残っていた水酸化バリウムは10倍すると求められます。
0.000060mol × 10 = 0.00060mol
つまり、二酸化炭素と反応せず残ったBa(OH)₂は0.00060molです。
二酸化炭素の物質量と体積百分率を求める
最初にあったBa(OH)₂は0.0020molで、残った量は0.00060molなので、二酸化炭素と反応した量は、
0.0020mol − 0.00060mol = 0.0014mol
となります。
反応式より、二酸化炭素と水酸化バリウムは1:1で反応するため、二酸化炭素も0.0014mol存在したことになります。
標準状態では気体1molの体積は22.4Lなので、二酸化炭素の体積は、
0.0014mol × 22.4L/mol = 0.03136L
つまり約0.031Lです。
呼気は1.00Lなので、体積百分率は、
0.03136L ÷ 1.00L × 100 = 3.136%
有効数字2桁にすると、3.1%となります。
白色沈殿(炭酸バリウム)の質量を求める
生成した炭酸バリウムBaCO₃の物質量は、反応した二酸化炭素と同じ0.0014molです。
BaCO₃の式量は、
Ba:137、C:12、O₃:16×3=48
より、137+12+48=197です。
したがって沈殿の質量は、
0.0014mol × 197g/mol = 0.2758g
有効数字2桁では、0.28gとなります。
このタイプの問題を解くポイント
呼気中の二酸化炭素測定問題では、「最初の水酸化バリウム量」と「反応後に残った水酸化バリウム量」の差を求めることが最も重要です。
計算の流れを整理すると、次の順番になります。
- ① 最初のBa(OH)₂の物質量を求める
- ② 滴定から残ったBa(OH)₂を求める
- ③ 差から反応したBa(OH)₂を求める
- ④ CO₂の物質量に変換する
- ⑤ 気体の体積や沈殿の質量を計算する
中和滴定が出てきても、目的は「残った塩基の量を調べている」と考えると、問題全体の意味が理解しやすくなります。
まとめ|呼気中の二酸化炭素量は残った水酸化バリウムから逆算する
この問題では、水酸化バリウムが二酸化炭素によって消費された量を直接測るのではなく、反応後に残った量を塩酸で調べることで二酸化炭素の量を求めています。
答えは、呼気中の二酸化炭素の体積百分率が3.1%、白色沈殿である炭酸バリウムの質量が0.28gです。
「最初の量-残った量=反応した量」という考え方を身につけると、中和滴定を利用した化学基礎の計算問題を安定して解けるようになります。


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