CAD利用技術者試験2次元1級(機械)では、単純な図形作成だけではなく、図面上の条件から正確な位置や角度を作図によって導き出す力が求められます。特に、接円の配置による寸法計算や部品同士の位置合わせでは、補助線や補助円をどのように使うかが重要になります。この記事では、試験問題で頻出する幾何条件を利用した作図手順の考え方を解説します。
CAD利用技術者試験の作図問題で重要な考え方
2次元CADの上級試験では、単に寸法を計算して入力するだけではなく、図面に示された条件を読み取り、正しい位置関係を作図する能力が必要になります。
そのため、問題を解く際には最初から数値を求めようとするのではなく、「どの線や円が条件を満たす基準になるのか」を考えることが大切です。
例えば「円に接する」「2つの部品が接触する」「一定の角度で配置する」といった条件は、補助円や補助線を作ることで視覚的に解決できます。
接円条件から寸法を求める作図方法
円と図形を接するように配置する問題では、接点を直接探すよりも、まず接する条件を利用した補助図形を作成します。
例えば、追加したφ20の円に既存図形を接触させる場合、円の中心から接点までの距離は半径になります。そのため、φ20円の中心を基準に半径10mmの補助円を描くことで、接点を求めるための基準を作れます。
具体的な手順としては、以下のようになります。
1. 基準となるφ20円の中心位置を確認する。
2. 円の半径10mmを利用して補助円を作成する。
3. 既存図形との交点や接線条件を確認する。
4. 得られた交点から必要な寸法線を作成してA寸法を確認する。
このように、10.17mmという寸法を直接計算するのではなく、接点を決める幾何条件を作ることでCAD上でも正確に位置を求めることができます。
補助線を使って接点を見つける方法
接線関係を利用する場合、円の中心と接点を結ぶ線は必ず接線に対して直角になります。この性質を利用すると、複雑な形状でも補助線によって接点を特定できます。
例えば、円と直線が接する場合は、円中心から直線へ垂線を引いた交点が接点になります。また、円と円が接する場合は、2つの中心を結ぶ直線上に接点があります。
CADではスナップ機能だけに頼るのではなく、こうした幾何学的な関係を理解して補助図形を作ることで、試験でも安定して作図できます。
部品配置と回転角度を求める作図手順
部品①と部品②を配置して角度Aを求める問題では、先に部品②の回転基準を決めることが重要です。
角度を直接測定する前に、部品同士がどの位置で接触するのか、どの点を基準に回転するのかを明確にします。
一般的な手順は以下の通りです。
1. 部品①側の基準点や接触点を確認する。
2. 部品②を仮配置し、接触条件を満たす位置を探す。
3. 回転中心を決め、補助円または補助線を作成する。
4. 条件を満たす交点を利用して部品②の位置を確定する。
5. 最後に角度測定コマンドで角度Aを確認する。
4.99度のような小さな角度の場合でも、先に正しい配置条件を作れば、CADの角度測定で正確な値を得ることができます。
補助円と交点を活用する練習方法
CAD利用技術者試験の作図問題では、補助円を使いこなせるかどうかが大きな差になります。補助円は単なる目印ではなく、条件を図形化するための重要な道具です。
練習では、以下のような問題に取り組むと効果的です。
・2つの円に接する円を作図する問題
・指定された距離にある点を求める問題
・部品同士の接触位置を決める問題
・回転移動後の角度を求める問題
これらはすべて、補助線や補助円によって未知の位置を既知の図形へ変換する考え方が基本になります。
作図問題を解くときに避けたいミス
よくある失敗は、最初から数値入力や角度指定で完成形を作ろうとしてしまうことです。試験では図面の条件を満たすことが重要であり、数値だけを合わせても正しい作図手順にならない場合があります。
また、補助図形を作成した後に不要な線を消してしまうと、後から位置関係を確認できなくなることがあります。練習段階では補助線を残し、どの条件から答えを導いたか確認できる状態にしておくと理解が深まります。
本番では時間短縮のため、頻出する接線・接円・回転配置のパターンを覚え、どの補助図形を使うべきか瞬時に判断できるようにしておくことが重要です。
まとめ:CAD試験の寸法や角度は幾何条件から導く
CAD利用技術者試験2次元1級(機械)の作図問題では、A寸法や角度Aの数値を直接求めるよりも、図形の関係性を利用して作図する考え方が重要です。
接円問題では中心と半径を利用した補助円、角度問題では回転中心や交点を利用した補助線が有効です。
「どの補助線を引けば条件が見えるか」という視点を身につけることで、複雑な問題でも安定して解答できるようになります。CAD操作の練習だけでなく、図形の性質を理解することが合格への近道になります。


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