地球の中心を通って反対側まで続く穴があったら、人は反対側まで落ちていけるのでしょうか。このような「地球貫通トンネル」の話は昔から有名な思考実験で、重力の仕組みを理解するのにとても良い題材です。
もちろん現実の地球では中心部の高温や圧力、空気抵抗などの問題があり実現できません。しかし、それらを無視した理想的な条件では、落下した人がどのような動きをするのかを物理学的に考えることができます。
地球の中心へ向かうと重力はどう変化するのか
地球表面にいるとき、私たちは地球の質量によって常に中心方向へ引っ張られています。これが重力です。
しかし、地球の内部へ進んでいくと、中心より外側にある地球の部分からの引力は打ち消し合うため、感じる重力はだんだん小さくなります。
そして地球の中心に到達すると、あらゆる方向から均等に引っ張られるため、重力は完全に0になります。
穴に落ちたら地球の反対側まで落ち続けるのか
理想的な条件では、穴に落ちた人は地球の中心を通過し、反対側へ向かって進みます。
ただし、反対側へ到着した瞬間に地面に立てるわけではありません。中心へ向かって落ちたときに得た速度があるため、そのまま反対側の地表からさらに上へ飛び出そうとします。
つまり、反対側の人から見ると「突然空中から人が落ちてきた」というより、「地球の中を通って勢いよく飛び出してきた」という状態になります。
反対側では重力を無視して落ちてきたように見えるのか
反対側の人から見ると、確かに地球の裏側からやって来るため、不思議な動きに見えます。しかし、実際には重力を無視しているわけではありません。
落下した人は、最初から最後まで重力の影響を受け続けています。地球中心へ向かう途中では重力によって加速し、中心を過ぎると反対側の地表へ引き戻す方向に重力が働きます。
例えるなら、坂道を転がるボールのようなものです。下り坂では速度が増しますが、反対側の坂では上へ登るために速度が減っていきます。
理想的には地球の中を往復する振り子のような動きになる
空気抵抗や摩擦が一切ない場合、穴を通った人は反対側の地表付近まで到達します。しかし、そこで速度が0になるわけではなく、再び中心方向へ戻り始めます。
そのため、地球の中心を挟んで往復運動を続けることになります。これは巨大な振り子のような動きです。
例えば東京から地球の反対側へ落ちた場合、反対側の地表まで到達した後、また東京側へ戻る動きを繰り返します。
実際には反対側へ到達できない理由
現実の地球では、このような移動は不可能です。最大の問題は地球内部の環境です。
地球の中心付近は非常に高温で、さらに数百万気圧ともいわれる巨大な圧力が存在します。また、空気抵抗や穴の壁との摩擦によって、理想的な往復運動もできません。
もし現実に穴を作れたとしても、途中で速度を失い、最終的には地球中心付近で停止してしまうと考えられます。
もし穴の中に空気があった場合と無かった場合の違い
空気抵抗がない場合、人は地球の反対側まで到達できます。しかし空気がある場合、進むたびに抵抗を受けてエネルギーを失います。
自転車で坂を下るとき、平らな道よりも空気抵抗や摩擦の影響で速度が落ちるのと同じです。
最終的には中心付近で止まるか、中心を少し越えたところで往復運動をしながら徐々に停止すると考えられます。
まとめ|地球貫通トンネルでは反対側へ行けるが、現実には不可能
地球の中心を通る穴に落ちた場合、理想的な条件なら重力によって加速し、中心を通過して反対側まで到達できます。
反対側の人から見ると不思議な現象に見えますが、実際には重力を無視しているのではなく、重力によって地球内部を移動しているのです。
ただし現実の地球では高温、高圧、摩擦などの問題があるため実現できません。この思考実験は、重力が場所によってどのように変化するのかを理解するための面白い例と言えます。


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