二次関数の共有点を求めるとき、判別式Dを使う方法と、2次方程式の値の正負を見る方法があります。この2つは一見すると結果が逆に見えるため混乱しやすいですが、実際には調べている対象が違うだけで矛盾していません。この記事では、なぜ結果が逆になるのか、どちらを使えばよいのかを具体例を交えて解説します。
判別式Dで共有点の個数を調べる基本的な考え方
二次関数とx軸の共有点を調べる場合、まず二次関数をy= ax²+bx+cと表します。このグラフとx軸の交点は、y=0となる場所なので、方程式ax²+bx+c=0の解の個数を調べることになります。
このとき利用するのが判別式Dです。判別式はD=b²-4acで表され、2次方程式の実数解の個数を判断できます。
| 判別式D | 実数解の個数 | 二次関数とx軸の共有点 |
|---|---|---|
| D>0 | 2個 | 2個 |
| D=0 | 1個 | 1個 |
| D<0 | 0個 | 0個 |
学校で習った「Dの符号によって共有点の数が決まる」という内容は、この考え方に基づいています。
塾で習った2次方程式の正負と共有点の関係が逆になる理由
一方で、塾で習った「2次方程式の値が正なら共有点0個、負なら共有点2個」という考え方は、方程式の解ではなく、二次関数のグラフの位置関係を見ています。
例えば、上に開く二次関数y=ax²+bx+c(a>0)を考えます。このグラフがx軸より上に完全にある場合、yの値は常に正になります。その場合、x軸と交わらないため共有点は0個です。
逆に、グラフの頂点がx軸より下にある場合は、一度下がってから上に戻るため、x軸と2回交わります。この場合、頂点のy座標は負になります。
判別式と頂点の位置は別の方法で同じ問題を見ている
判別式を使う方法と、二次関数の値を見る方法は、実は同じ共有点を別の角度から調べています。
判別式は「2次方程式が何個の解を持つか」を調べる方法です。一方で、塾で習った方法は「グラフがx軸より上にあるか下にあるか」を調べる方法です。
例えば、y=x²-4という二次関数の場合を考えます。x軸との交点はx²-4=0を解けばよく、x=±2となるため共有点は2個です。
このとき判別式を見るとD=0²-4×1×(-4)=16となり、D>0なので共有点2個と判断できます。また頂点は(0,-4)でx軸より下にあるため、グラフがx軸を2回横切ることも分かります。
共有点を求める問題ではどちらを使えばよいのか
問題文によって使いやすい方法を選ぶことが大切です。単純に共有点の個数だけを求めたい場合は、判別式Dを使うのが最も一般的です。
一方で、「定数aの範囲を求めよ」「グラフがx軸と交わらない条件を求めよ」といった問題では、頂点の位置や二次関数の最小値を見る方法が便利な場合があります。
例えば、y=x²+2x+kがx軸と交わらない条件を求める場合、判別式D=4-4k<0よりk>1と求められます。また頂点(-1,k-1)の高さを見る方法でも、k-1>0つまりk>1と同じ答えになります。
混乱しないために覚えておきたいポイント
重要なのは、「Dの符号」と「二次関数の値の正負」は同じものを見ているわけではないという点です。
Dは解の個数を判断する数字であり、二次関数の値の正負はグラフがどこに位置しているかを判断するための情報です。そのため、条件によって見方が変わることで結果が逆に感じられます。
また、下に開くグラフ(a<0)の場合は上下関係が逆になるため、必ずグラフの向きも確認することが大切です。
まとめ|判別式と二次関数の正負は目的に合わせて使い分ける
判別式Dによる「D>0なら共有点2個」という考え方は、2次方程式の解の個数を調べる方法です。
一方、「二次関数が正なら共有点0個」という考え方は、グラフの位置関係から判断する方法であり、対象が違うため逆に見えるだけです。
二次関数の共有点問題では、基本的には判別式を使えば問題ありません。ただし、最大値・最小値や範囲を求める問題では、頂点やグラフの位置を見る方法も有効です。2つの考え方を関連付けて理解すると、応用問題にも対応できるようになります。

コメント