化学のモル計算では、「物質の量」と「原子や分子の数」を結びつける考え方が重要です。特に水のように1つの分子の中に複数の原子が含まれている物質では、分子のmol数と原子のmol数を混同しやすくなります。
この記事では、「3.0molの水に含まれる水素原子Hは何molか」という問題を例に、なぜ単純に割り算をしてはいけないのか、正しい解き方を分かりやすく解説します。
まず水1分子が何個の原子からできているか確認する
水の化学式はH₂Oです。この式が表しているのは、水分子1個の中に水素原子Hが2個、酸素原子Oが1個含まれているということです。
つまり、水分子1個を見ると「Hが2個、Oが1個」という割合になっています。この比を利用すると、水分子のmol数から水素原子のmol数を求めることができます。
ここで大切なのは、「原子が3種類あるから3分の2にする」という考え方ではないという点です。H₂Oの数字は原子の種類ではなく、1つの分子に含まれる原子の個数を表しています。
mol計算では分子の数ではなく原子の割合を見る
1molの水分子がある場合、その中には水分子が1mol存在します。そして水分子1molには、水素原子が2mol分含まれています。
これは、1個の水分子に水素原子が2個あるためです。例えば水分子が100個あれば水素原子は200個、1000個あれば水素原子は2000個になります。
同じようにmolでも、水分子1molに対して水素原子は2倍の2molになると考えます。
3.0molの水に含まれる水素原子の求め方
水の化学式はH₂Oなので、水分子と水素原子の関係は次のようになります。
H₂O 1mol → H原子 2mol
したがって、3.0molの水の場合は、水素原子の量を次の計算で求めます。
3.0mol × 2 = 6.0mol
答えは6.0molです。
なぜ3.0×2÷3ではないのか
間違えやすい考え方として、「H₂OにはHが2個、Oが1個で全部で3個の原子があるから、水素は3分の2ではないか」と考えてしまう場合があります。
しかし、この問題で求めているのは「水分子の中にある水素原子の割合」です。H₂O全体の原子数3個のうち水素が2個なので、確かに原子の割合としては2/3ですが、mol計算ではこの考え方を使いません。
例えば、水分子が1個しかない場合なら、水素原子は2個です。水分子3個なら水素原子は6個になります。この関係をmolに置き換えるだけなので、3分の2ではなく2倍になります。
化学式の数字を使ったmol計算の基本ルール
化学式の右下にある数字は、その物質1個あたりに含まれる原子の個数を表します。
例えば、二酸化炭素CO₂なら、炭素Cが1mol、酸素Oが2mol含まれます。
同じように、アンモニアNH₃なら、窒素Nが1mol、水素Hが3mol含まれています。このように、化学式の数字をそのままmol比として利用すると計算できます。
まとめ:H₂Oのmol計算は水素の個数に注目する
3.0molの水H₂Oに含まれる水素原子の量を求める場合は、水分子1molに水素原子が2mol含まれることに注目します。
計算は3.0mol×2=6.0molとなり、水素原子は6.0molです。
mol計算で迷ったときは、「分子の中に目的の原子が何個入っているか」を確認することが大切です。化学式の数字は割合ではなく、原子の個数を表していると覚えると、同じタイプの問題も解きやすくなります。


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