古い公文書や書簡では、現在では使われない独特の言い回しが多く登場します。「右者何様之調ニ相成居候哉御届可仕旨」という表現も、江戸時代から明治期頃の文書で見られるような文語的な表現です。
この記事では、この一文を現代語に直しながら、それぞれの語句がどのような意味を持つのか、古文書を読む際のポイントと合わせて解説します。
「右者何様之調ニ相成居候哉御届可仕旨」の現代語訳
この文章は、現代語にすると以下のような意味になります。
「右の件については、どのような調査・取り扱いの状況になっているのか、ご報告申し上げるべき旨。」
文脈によって多少変化しますが、簡単に言えば「この件が現在どのような状態なのかを確認し、届け出(報告)をする必要がある」という意味になります。
語句ごとの意味と読み解き方
右者(みぎは):前に述べた事項や書面上の対象を指す言葉です。「右に記載した事柄について」という意味になります。
何様之(なにようの):「どのような」という意味です。「何様」は現代語の「どんな種類・どのような状態」に近い表現です。
調ニ相成居候哉(しらべにあいなりおりそうろうや):「調査した結果、どのような状態になっているのか」という意味になります。「相成」は「なる」の改まった表現で、「居候」は「〜している」の丁寧な古い表現です。
御届可仕旨(おとどけつかまつるべきむね):「届け出をしなければならないこと」という意味です。「仕る」は「する」の謙譲表現で、役所などへの報告に使われました。
古文書特有の表現「候」「相成」「仕」の意味
この文章を理解するには、江戸時代以降の公文書で頻繁に使われた敬語表現を知ることが重要です。
「候(そうろう)」は、現代語の「です・ます」に近い丁寧表現です。「居候」は「居ります」「存在しています」という意味になります。
また、「相成」は単純な「なる」よりも改まった言い方で、役所の記録や報告書などでよく使用されました。
例えば、「決定相成候」は「決定しました」、「承知仕候」は「承知いたしました」という意味になります。
文章が使われた場面を考える
「右者何様之調ニ相成居候哉御届可仕旨」という表現は、単独の文章というより、何らかの事案や手続きについて問い合わせや報告を求める文書の一部と考えられます。
例えば、役所や組織間で「ある問題について調査状況を確認し、その結果を報告してください」という依頼をする場面で使われる表現です。
現代のビジネス文書に置き換えるなら、「本件について現在どのような調査状況であるか確認のうえ、ご報告ください」といった表現に近くなります。
古い日本語を現代語訳するときの注意点
古文書の翻訳では、一つ一つの単語を直訳するだけでは自然な意味にならない場合があります。
例えば「御届」は単なる「届け」ではなく、役所や上位者への正式な報告を意味することが多く、「可仕旨」も「することができる」ではなく、「するべきである」という義務や方針を表しています。
そのため、文書全体の目的や当時の制度背景を考えながら現代語に置き換えることが大切です。
まとめ|「右者何様之調ニ相成居候哉御届可仕旨」の意味
「右者何様之調ニ相成居候哉御届可仕旨」は、現代語では「先に述べた件について、どのような調査状況になっているのか確認し、報告する必要がある」という意味になります。
「右者」「相成」「候」「仕」などは、古い公文書で頻繁に使われた定型表現です。これらの意味を理解すると、江戸時代や明治期の文書も読みやすくなります。
古文書を読む際は、単語だけを見るのではなく、文章が書かれた時代や使用された場面を考えることで、より正確な現代語訳ができます。


コメント