日本では南海トラフなどの海溝型巨大地震への関心が高まる一方で、内陸に存在するSランク活断層が連動して動く可能性についても注目されています。海溝型地震の発生によって活断層が刺激され、誘発地震が起こることはあるのでしょうか。この記事では、Sランク活断層の意味や海溝型地震との関係、誘発地震が発生する仕組みについて分かりやすく解説します。
Sランク活断層とは何を意味するのか
Sランク活断層とは、主に今後30年以内に大きな地震を起こす可能性が相対的に高いと評価された活断層を指します。
日本では政府の地震調査研究推進本部が、活断層ごとの長期的な地震発生確率などを評価しています。Sランクは「発生確率が高いグループ」に分類されますが、必ず近い将来に地震が起きるという意味ではありません。
活断層は過去に繰り返しずれ動いた証拠がある断層で、地下に蓄積されたひずみが限界に達すると断層運動による地震を起こします。
海溝型巨大地震と内陸活断層地震の違い
海溝型地震と活断層による地震は、発生する場所や仕組みが異なります。
海溝型地震は、海洋プレートが陸側プレートの下に沈み込む境界で発生します。代表例として東北地方太平洋沖地震や南海トラフ巨大地震が挙げられます。
一方、活断層地震は陸地内部の断層が急激にずれることで発生します。阪神・淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震も、活断層による内陸地震でした。
発生メカニズムは違いますが、巨大な地震が起きると周囲の地下の力の状態が変化するため、互いに無関係とは言い切れません。
巨大地震が活断層を誘発することはあるのか
大規模な海溝型地震によって、近くの活断層が刺激され、地震活動が活発化することはあります。
大きな地震が発生すると、地下には地震波による揺れだけでなく、地殻内部の応力変化も発生します。この応力変化が、もともと限界に近かった断層に影響を与える可能性があります。
例えば、2011年の東北地方太平洋沖地震の後には、東北地方や関東周辺で地震活動の変化が観測され、福島県浜通りでは内陸地震も発生しました。このように、巨大地震が別の場所の地震活動に影響を与える現象は知られています。
海溝型地震でSランク活断層が必ず動くわけではない理由
ただし、海溝型巨大地震が起きたからといって、すべてのSランク活断層が動き出すわけではありません。
活断層が地震を起こすには、その断層に十分なひずみが蓄積され、断層面の状態が破壊条件を満たす必要があります。
巨大地震による影響は、断層の位置や向き、地下構造、現在どれだけ力がたまっているかによって変化します。同じ規模の地震でも、ある断層には影響が大きく、別の断層にはほとんど影響しない場合があります。
誘発地震と連動地震の違い
地震のニュースでは「誘発地震」や「連動」という言葉が使われますが、これらは意味が少し異なります。
誘発地震とは、ある地震による力の変化などがきっかけとなり、別の場所で地震が発生することを指します。一方、連動地震は複数の断層や震源域が同じ地震現象の中で一緒に破壊するケースを指します。
例えば、巨大な海溝型地震の発生後に内陸の活断層で地震が起きた場合、それは誘発された可能性があります。しかし、事前にどの活断層が必ず動くかを正確に予測することは現在の科学では困難です。
今後の地震への備えで重要なこと
Sランク活断層がある地域では、海溝型地震とは別に内陸地震への備えも必要です。
大きな地震の後には余震や誘発地震が発生する可能性があるため、家具の固定や避難経路の確認、地域のハザードマップの確認など日頃の備えが重要になります。
地震は複雑な地下現象であり、特定の断層がいつ動くかを完全に予測することはできません。そのため、発生確率だけを見るのではなく、起こり得る地震への備えを進めることが大切です。
まとめ
Sランク活断層は、海溝型巨大地震によって刺激され、誘発的に活動する可能性はあります。しかし、巨大地震が発生したからといって必ずSランク活断層が動くわけではありません。
海溝型地震と活断層地震は仕組みが異なりますが、巨大な地震は周囲の地下環境に影響を与えることがあります。重要なのは、特定の地震を予測することよりも、さまざまな可能性を考えて日頃から防災対策を行うことです。


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