数学の確率や場合の数の問題では、「同じものが含まれている並べ方」や「条件付きで選ぶ問題」で混乱しやすいポイントがあります。特に、答えだけを見ると「なぜ4!を2!2!で割るのか」「なぜ最後に5C2を掛けるのか」と疑問に感じることがあります。
この記事では、河合模試などの大学受験レベルの数学でよく出題される、重複を含む並べ方の考え方について、式4!÷2!2!×5C2が何を意味しているのかを順番に解説します。
場合の数では「区別できるもの」と「区別できないもの」を分けて考える
場合の数の問題で最も大切なのは、対象となるものがすべて区別できるのか、それとも同じものが含まれているのかを判断することです。
例えば、4つの物を一列に並べる場合、すべて違う物なら並べ方は4!通りになります。これは4個の場所に順番に物を配置するためです。
しかし、その中に同じ種類の物が含まれている場合、単純に4!を使うと同じ並びを何度も数えてしまいます。その重複分を最後に割る必要があります。
4!÷2!2!の意味を理解する
4!は4個のものをすべて別物として考えた場合の並べ方です。
例えば、A、A、B、Bという4つの文字を並べる場合、もしA1、A2、B1、B2のように全部違うものとして考えると、並べ方は4!通りあります。
しかし実際にはA同士、B同士は区別できません。そのため、Aの入れ替えによる2!通り、Bの入れ替えによる2!通りは同じ並びを表しています。
したがって、重複をなくすために
4!÷(2!×2!)
と計算します。
計算すると、4!=24、2!×2!=4なので、24÷4=6通りになります。これはA、A、B、Bの並べ方の数です。
5C2を掛ける理由は「どれを選ぶか」を考えているため
次に、式の後半にある5C2について考えます。
組み合わせの記号5C2は、5個あるものの中から2個を選ぶ方法の数を表します。
つまり、並べ方を考える前に「5個の候補の中から、どの2個を使うのか」を選んでいるということです。
例えば、5種類の中から同じ種類のものを2つ選ぶ必要がある場合、選ぶだけなら順番は関係ありません。そのため、順列ではなく組み合わせを使います。
全体の考え方は「選ぶ→並べる」の順番で整理する
場合の数の問題では、いきなり全部を計算しようとすると混乱しやすいため、「何を先に決めるべきか」を整理すると分かりやすくなります。
今回の式は、次の2段階に分けて考えています。
| 手順 | 計算 | 意味 |
|---|---|---|
| 1 | 5C2 | 5個の中から使う2個を選ぶ |
| 2 | 4!÷(2!2!) | 選んだ4個を重複に注意して並べる |
つまり、先に材料を選び、その後で並べ方を考えているのです。
このように問題を「選択」と「配置」に分けると、複雑に見える場合の数でも整理して解くことができます。
なぜ答えが60通りになるのか
それぞれの計算を合わせると、
4!÷(2!2!)×5C2
=24÷(2×2)×10
=6×10
=60
となり、答えは60通りになります。
この60通りという数字は、単純に4個を並べた数ではありません。「5個の中から条件に合うものを選び、その中で同じものによる重複を除いて並べた結果」です。
まとめ|重複を含む場合の数は「選ぶ」と「並べる」を分ける
4!÷(2!2!)×5C2という式は、意味を理解すると難しい計算ではありません。
4!は一度すべてを区別して並べた数、2!2!は同じものを入れ替えた重複を取り除くためのもの、5C2は使うものを選ぶための計算です。
場合の数では、答えの公式を暗記するだけではなく、「何を選んで」「何を並べて」「どんな重複があるのか」を考えることが重要です。この考え方を身につけると、大学入試の複雑な組み合わせ問題にも対応できるようになります。


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