指数関数を含む積分の中には、そのまま計算しようとすると難しく見えるものがあります。特にe^x/(e^x+e^(a-x))のような式は、分母に異なる指数が含まれているため、どのように変形すればよいか迷いやすい問題です。
しかし、この積分は式の対称性に注目すると簡単に求めることができます。この記事では、区間0からaまでの定積分をどのように考えて解くのか、途中の変形も含めて詳しく解説します。
問題の式を整理して考える
今回考える積分は次の形です。
I=∫₀ᵃ e^x/(e^x+e^(a-x)) dx
まず分母を整理します。e^(a-x)はe^a・e^(-x)と書けるため、分子と分母に共通する形を作ることができます。
分母のe^x+e^(a-x)に対してe^xで割ると、式は次のように変形できます。
e^x/(e^x+e^(a-x))=1/(1+e^(a-2x))
この形にすると、指数関数の対称性が見えやすくなります。
変数変換で直接積分する方法
式をさらに扱いやすくするため、t=x-a/2と置きます。
x=t+a/2なので、指数部分は次のようになります。
a-2x=a-2(t+a/2)=-2t
したがって被積分関数は、
1/(1+e^(-2t))
となります。
また積分区間も変化します。x=0のときt=-a/2、x=aのときt=a/2になります。
よって積分は、
I=∫₋ₐ⁄₂ᵃ⁄₂ 1/(1+e^(-2t)) dt
と書けます。
対称性を利用して計算する
ここで重要なのが、関数の対称性です。
f(t)=1/(1+e^(-2t))と置くと、
f(-t)=1/(1+e^(2t))
になります。
この2つを足すと、
f(t)+f(-t)=1/(1+e^(-2t))+1/(1+e^(2t))
となります。
分母を整理すると、
f(t)+f(-t)=1
であることが分かります。
つまり、この関数は左右対称な区間で積分すると、常に区間の長さの半分になります。
定積分の値を求める
区間は-a/2からa/2までなので、
I=∫₋ₐ⁄₂ᵃ⁄₂ f(t)dt
です。
対称性より、
∫₋ₐ⁄₂ᵃ⁄₂ f(t)dt=1/2∫₋ₐ⁄₂ᵃ⁄₂(f(t)+f(-t))dt
となります。
先ほど求めたようにf(t)+f(-t)=1なので、
I=1/2∫₋ₐ⁄₂ᵃ⁄₂1dt
になります。
積分区間の長さはaなので、
I=1/2×a
したがって答えは、
I=a/2
となります。
別解として置換積分を考える場合
この問題では不定積分を求めるよりも、定積分の性質を利用する方が簡単です。
もし不定積分を求めようとすると、1/(1+e^(a-2x))の形を扱う必要があり、対数関数を使った複雑な計算になります。
しかし、積分区間が0からaであり、指数部分がa-xという形になっていることから、xとa-xを入れ替えたときの関係を利用することがポイントになります。
このような問題では、無理に原始関数を探すよりも、定積分ならではの対称性を探すことが重要です。
まとめ|e^x/(e^x+e^(a-x))の積分は対称性で解く
e^x/(e^x+e^(a-x))を0からaまで積分する場合、直接積分するのではなく、式を変形して対称性を見ることが解法のポイントです。
x=a/2を中心に考えると、関数f(t)とf(-t)の和が1になるため、積分値は区間の半分になります。
その結果、
∫₀ᵃ e^x/(e^x+e^(a-x)) dx=a/2
となります。指数関数を含む定積分では、式の形だけを見るのではなく、区間や変数の入れ替えによる対称性を確認することが解答への近道になります。


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