英語の前置詞は、日本語の感覚とは異なる位置に置かれることがあり、特に「動詞+目的語+前置詞」と「動詞+前置詞+目的語」の違いは学習者が迷いやすいポイントです。
例えば「I’ve just passed him by.」という文では、なぜ「passed by him」ではなく「passed him by」となるのか疑問に感じることがあります。この記事では、pass byの使い方や語順による意味の違いについて詳しく解説します。
「pass by」の基本的な意味とは
「pass by」は基本的に「通り過ぎる」「通過する」「(人と)すれ違う」という意味を持つ句動詞です。ここでのbyは「〜のそばを」「〜の近くを」という位置関係を表す前置詞です。
例えば「I passed by the store.」なら「私はその店の前を通り過ぎた」という意味になります。この場合、passとbyがセットになって「通り過ぎる」という動作を表しています。
つまり「pass by」は、単純なpass(通る、越える)にbyが加わることで、「何かの横を通過する」というニュアンスになります。
「passed him by」の文法的な仕組み
「I’ve just passed him by.」のhimは目的語で、byは動詞の後ろに残る形になっています。この形は句動詞の一種で、動詞と副詞的な要素が組み合わさった表現です。
この場合の意味は「私はちょうど彼の横を通り過ぎた」「彼とすれ違った」という意味になります。英語では、一部の句動詞では目的語を動詞と前置詞の間に置くことが可能です。
特に目的語が代名詞の場合、句動詞では「動詞+目的語+副詞」の形が自然になります。例えば「pick it up」「turn it off」のような形と同じ考え方です。
「passed by him」にすると意味はどう変わるのか
「passed by him」という形も文法的には可能ですが、意味や焦点が少し変わります。この場合、byは前置詞として機能し、「him」がbyの目的語になります。
「I passed by him.」は直訳すると「私は彼のそばを通り過ぎた」となります。この表現では、「彼のいる場所の近くを通った」という位置関係に重点があります。
一方、「I passed him by.」では「彼とすれ違った」「彼を通り過ぎた」という動作全体が一つの表現としてまとまっています。そのため、会話では状況によって自然な表現が変わります。
「him」が入る場合はなぜ位置が変わるのか
英語の句動詞では、目的語が名詞の場合と代名詞の場合で語順が変わることがあります。特に目的語がit、him、her、themなどの短い代名詞の場合、動詞と副詞の間に置くのが一般的です。
例えば以下のような違いがあります。
| 表現 | 意味 | 自然さ |
|---|---|---|
| I passed him by. | 彼とすれ違った、彼の横を通り過ぎた | 自然な表現 |
| I passed by him. | 彼のそばを通った | 文法的に可能 |
| I passed by the man. | その男性のそばを通った | 自然な表現 |
例えば「I passed the station by.」のような表現より、「I passed by the station.」のほうが自然です。これはstationのような名詞の場合、byの後ろに置くことが多いためです。
句動詞と前置詞を区別するポイント
英語学習では、byが必ず前置詞だと思ってしまうと混乱します。句動詞の中では、byが動詞の意味を補う副詞のような役割をする場合があります。
「pass him by」のbyは、himを説明する前置詞ではなく、「通り過ぎる」という動作を完成させる要素です。そのためhimを間に入れることができます。
一方で「pass by him」のbyは、「彼のそばを」という場所を示す前置詞として働いています。この違いを理解すると、語順の理由が分かりやすくなります。
まとめ|pass him byとpass by himは似ているが焦点が違う
「I’ve just passed him by.」では、pass byという句動詞の中に目的語のhimが入った形になっています。そのため「彼とすれ違った」という動作を表す自然な表現になります。
「I’ve just passed by him.」も文法的には成立しますが、「彼のそばを通った」という場所的な意味合いが強くなります。
英語の前置詞は単純な位置だけで判断するのではなく、句動詞の一部なのか、純粋な前置詞なのかを見ることが重要です。pass byのような表現を覚える時は、単語ごとではなく一つのまとまりとして理解すると使いやすくなります。


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