水酸化ナトリウムを水に溶かすと熱が発生し、溶液の温度が上昇します。このような問題では、温度変化から発生した熱量を求めるために、熱量の公式を使います。
この記事では、純水96gに水酸化ナトリウム4gを加えた場合を例に、どのように計算すればよいのかを順番に解説します。
発生した熱量を求めるために使う公式
物質が吸収した熱量や放出した熱量は、次の公式で求めることができます。
Q=mcΔT
それぞれの記号は以下の意味を持ちます。
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| Q | 熱量(J) |
| m | 物質の質量(g) |
| c | 比熱(J/g・℃) |
| ΔT | 温度変化(℃) |
今回の問題では、水酸化ナトリウムを溶かした後の水溶液全体が温まり、その温度変化から発生した熱量を計算します。
水溶液の質量を求める
まず、水と水酸化ナトリウムを合わせた水溶液の質量を求めます。
純水は96g、水酸化ナトリウムは4gなので、できた水溶液の質量は以下になります。
96g+4g=100g
したがって、熱量計算で使う質量mは100gです。
公式に数値を代入して熱量を計算する
問題文から比熱は4.2J/g・℃、温度変化は10℃と与えられています。
公式Q=mcΔTに代入すると、
Q=100×4.2×10
となります。
計算すると、
Q=4200J
となります。
1kJは1000Jなので、kJに直すと、
4200J÷1000=4.2kJ
したがって、水酸化ナトリウムが水に溶けたときに発生した総熱量は4.2kJです。
水酸化ナトリウムの物質量を使う理由
問題文には水酸化ナトリウムの式量40も書かれています。そのため、どこで使うのか疑問に感じるかもしれません。
式量は、通常「1molあたりの溶解熱」を求める場合などに使用します。今回の問題は「発生した総熱量」を聞いているため、水酸化ナトリウムの物質量を求める必要はありません。
もし「水酸化ナトリウム1molあたり何kJの熱が発生したか」を求める問題であれば、次のように式量を使います。
水酸化ナトリウムの物質量=4g÷40g/mol=0.1mol
そして発生熱量4.2kJを0.1molで割ることで、1molあたりの溶解熱を求めることができます。
化学の熱量計算で間違えやすいポイント
この種類の問題では、質量を水だけの96gとして計算してしまうミスがよくあります。しかし、温度が変化するのは水だけではなく、水酸化ナトリウムも含めた水溶液全体です。
そのため、熱量計算では基本的に「できた溶液の質量」を使います。
今回の場合は、水96g+水酸化ナトリウム4g=100gを使うことが正しい計算になります。
まとめ|水酸化ナトリウムの溶解熱計算は水溶液全体で考える
水酸化ナトリウム4gを純水96gに溶かし、温度が10℃上昇した場合、発生した熱量は熱量公式Q=mcΔTで求められます。
計算は、Q=100g×4.2J/g・℃×10℃=4200Jとなり、答えは4.2kJです。
このような化学の熱量問題では、式量を必ず使うとは限りません。何を求める問題なのかを確認し、必要な情報だけを使うことが解答のポイントになります。


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