「うかがっています」は敬語として正しい?聞いています・報告を受けていますとの違いを解説

日本語

会見やビジネスの場で「うかがっています」という表現を耳にすることがあります。しかし、話をした相手が自分より目下の部下などの場合に「うかがっています」と表現するのは正しい敬語なのか、違和感があるのではないかと疑問に感じる人も少なくありません。

この記事では、「うかがう」という言葉の本来の意味や敬語としての使い方、目上・目下の関係によって表現が変わるのかについて分かりやすく解説します。

「うかがう」には複数の意味がある

「うかがう」という言葉には、主に「聞く」「訪問する」「尋ねる」という複数の意味があります。現代の日本語では、特に「聞く」の謙譲語として使われることが多くあります。

例えば、「詳しい事情をうかがいました」という表現は、「詳しい事情を聞きました」という意味になります。この場合、自分の動作である「聞く」をへりくだって表現しているため、謙譲語として成立しています。

一方で、「訪問する」という意味でも「社長のもとへうかがいます」のように使われます。この場合も、自分の行動を低く表現する謙譲語です。

「うかがっています」は誰に対する敬語なのか

「うかがっています」は、基本的には「私は聞いています」という自分側の行為をへりくだって表現した言葉です。そのため、必ずしも話をした相手を敬っている表現ではありません。

例えば、部下から報告を受けた内容について第三者に説明する場合、「担当者から事情をうかがっています」と言うことがあります。この場合、「担当者」という相手を高く扱っているのではなく、自分が情報を得たという行為を丁寧に表現しています。

つまり、「うかがっています」は相手が目上か目下かだけで決まる表現ではなく、「聞く」という自分の行為をどのように表現しているかがポイントになります。

部下から聞いた内容に「うかがっています」を使うのは間違いなのか

部下や職員など、自分より立場が下の人から報告を受けた場合でも、「うかがっています」という表現自体が文法的に間違いになるわけではありません。

例えば、知事が職員から説明を受け、その内容を記者へ説明する場面では、「担当者から報告をうかがっています」という表現が使われることがあります。この場合、職員を敬っているのではなく、記者に対して丁寧な説明をしているという性質があります。

ただし、「うかがう」は本来謙譲語なので、聞き手によっては「目下の人に対して使うのは不自然ではないか」と感じる場合があります。そのため、公的な場では「報告を受けています」「確認しています」「説明を受けています」といった表現のほうが誤解を招きにくいこともあります。

「聞いています」「報告を受けています」との違い

表現 意味・特徴
聞いています 一般的で分かりやすい表現
報告を受けています 業務上の正式な報告を受けたことを示す表現
説明を受けています 相手から内容を説明されたことを示す表現
うかがっています 「聞く」の謙譲表現で丁寧な印象がある

行政や企業の会見では、単に情報を得たという意味だけでなく、発言の印象や聞き手への配慮も考えて表現が選ばれることがあります。

そのため、「うかがっています」が使われた場合でも、必ずしも敬語の対象が部下になっているわけではなく、発言全体を丁寧にする目的で使用されている場合があります。

敬語として自然に聞こえるかは文脈が重要

敬語は単語だけで判断すると分かりにくい部分があります。「うかがう」は謙譲語ですが、誰を敬っているのか、どの動作を低く表現しているのかを見る必要があります。

例えば、会社の社長が「社員から状況をうかがっています」と発言した場合、社員を社長より上位に扱っているわけではありません。「自分が聞いた」という行為を丁寧に表現しているだけです。

一方で、「部下が言ったことをうかがいました」のように、場面によっては少し不自然に感じられることもあります。その場合は「報告を受けました」「話を聞きました」と言い換えることで、より明確な表現になります。

まとめ

「うかがっています」は、「聞いています」という意味で使われる謙譲表現であり、話をした相手が必ず目上でなければならない言葉ではありません。

部下や職員から得た情報について「うかがっています」と表現することも、日本語として完全に誤りとは言えません。ただし、公的な会見などでは「報告を受けています」などの表現のほうが内容が明確で、聞き手に誤解を与えにくい場合があります。

敬語の正しさを判断する際は、単語だけを見るのではなく、「誰の行為を表現しているのか」「誰に向けた発言なのか」を考えることが大切です。

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