立体図形の体積比の問題では、底面積や高さの比を利用すると効率よく解けます。しかし、切断面が四面体のどの部分を作っているのかを正確に把握しないと、面積比の使い方を間違えてしまうことがあります。この記事では、四面体の内分点を利用した体積比問題でよくあるミスと、正しい考え方を具体的に解説します。
四面体の切断問題で重要なのは切断面の形を正しく見ること
四面体OABCにおいて、辺OA、OB、BC、CA上に内分点D、E、F、Gを取ります。このような問題では、まずどの点がどの面上にあるのかを整理することが大切です。
今回の問題では、DとEは面OAB上にあり、FとGは面ABC上にあります。そのため、D、E、F、Gを通る平面によって四面体が2つの立体に分けられます。
このとき注意すべきなのは、D、E、F、Gを通る面は単純な四角形ですが、その四角形を使ってできる立体の底面や高さをどこに取るかです。ここを誤ると体積比がずれてしまいます。
間違いやすいポイントは四角錐C-abedの扱い
解答の②では、「四面体OABCの体積」と「四角錐C-ABEDの体積」の比を、三角形OABと四角形ABEDの面積比で求めています。
ここで使っている考え方自体は正しいです。頂点Cから面OAB上の図形へ下ろした高さは同じなので、高さが共通する錐体の体積比は底面積比になります。
しかし、問題になるのは四角形ABEDの面積比です。DとEの位置関係から、この四角形は三角形OAB全体の5/6ではありません。
面積比を正しく計算すると体積比が変わる
辺OAを1:2に内分する点Dについて、OD:DA=1:2なので、DはOから見て3分の1の位置にあります。また、OBは1:1に内分されているため、EはOBの中点です。
三角形ODEと三角形OABは相似で、相似比はOD:OA=1:3になります。そのため面積比は、相似比の2乗となり、三角形ODEの面積は三角形OABの1/9になります。
したがって四角形ABEDの面積は、三角形OABから三角形ODEを引いたものなので、8/9になります。ここが最初の計算との違いです。
正しい体積計算の流れ
四角錐C-ABEDの体積は、四面体OABCから見ると底面積比で求められます。
三角形OABと四角形ABEDの面積比は、1:8/9なので、四角錐C-ABEDの体積は8/9Vになります。
次に、切断面によってできる辺AB側の立体を求めます。ここでも同じように高さが共通する錐体の体積比を利用します。
面ABC上では、FとGの位置から四角形ABFGの面積比を求めます。AF:FC=1:4、BF:BCの関係を利用して計算すると、四角形ABFGは三角形ABCの11/15になります。
したがって辺AB側の立体の体積は、8/9V×11/15となり、切断後の一方の体積比を求めることができます。
答えが11:4になる理由
最終的な計算では、切断面によってできる2つの立体の体積は11/15と4/15の比になります。
つまり体積比は11:4となります。
元の解法では、考え方の方向性は合っています。しかし、②で使用した四角形ABEDの面積比を5/6としてしまったことが原因で、その後の体積計算がすべてずれてしまいました。
立体の体積比問題で失敗しないためのポイント
体積比の問題では、「高さが同じなら体積比は底面積比」という考え方は非常に強力です。しかし、その前提として底面としている図形の面積比を正確に求める必要があります。
特に内分点が出てくる場合は、線分の比をそのまま面積比と考えないことが重要です。三角形の相似を利用し、面積では比を2乗することを忘れないようにしましょう。
今回の問題のような四面体の切断では、①内分比を整理する、②相似な三角形を探す、③面積比から体積比へ変換する、という順番で考えると安定して解くことができます。
まとめ
岐阜大学2010年の立体の体積比問題では、体積比を求める考え方自体は正しくても、途中の面積比の計算を誤ると答えが変わってしまいます。
今回の間違いは、四角形ABEDの面積を5/6とした部分で、正しくは三角形OABから小さい相似三角形ODEを引いて8/9と考えます。
立体図形では、公式を使うだけではなく、どの図形同士が相似なのか、どの面を底面としているのかを丁寧に確認することが正解への近道になります。


コメント