粘度300cPのCMC水溶液を送液するポンプ選定方法|流量50L/min・50A配管の場合の考え方

工学

粘度のある液体を移送する場合、ポンプ選定では水を送る場合とは異なる考え方が必要になります。特にCMC(カルボキシメチルセルロース)水溶液のような高粘度流体では、粘度による圧力損失やせん断による性状変化を考慮しなければなりません。この記事では、粘度300cP程度のCMC水溶液を流量50L/min、輸送距離50m、配管径50A、圧損65kPaという条件で送る場合のポンプ選定の考え方を解説します。

ポンプ選定で最初に確認するべき条件

ポンプを選定する際は、単純に流量と圧力だけを見るのではなく、輸送する液体の性質を確認する必要があります。

今回の条件では、対象液はCMC水溶液で、粘度は約300cPです。これは水の粘度(約1cP)と比較すると非常に高く、一般的な低粘度液用ポンプでは性能低下が起こる可能性があります。

また、必要流量は50L/min、圧損は65kPaなので、ポンプにはこの圧力損失を補う吐出圧力が必要になります。

300cP程度の液体に適したポンプの種類

粘度300cP程度の液体では、一般的には容積式ポンプが候補になります。

代表的なものとして、スクリューポンプ、ギヤポンプ、ロータリーポンプ、モーノポンプ(偏心ねじポンプ)などがあります。

一方、遠心ポンプも使用できないわけではありませんが、高粘度液では効率が低下しやすく、必要な流量を確保するために大型化する場合があります。

CMC水溶液ではモーノポンプやスクリューポンプが有力

CMC水溶液のような粘度を持つ液体では、モーノポンプや一軸ねじポンプ、二軸・三軸スクリューポンプなどがよく検討されます。

これらのポンプは、液体を一定量ずつ押し出す容積式ポンプであり、粘度が変化する液体や比較的粘りのある液体でも安定した送液が可能です。

例えば、食品工場のシロップ、接着剤、化学薬品、ポリマー溶液などでも同様の理由から容積式ポンプが採用されることがあります。

必要なポンプ能力を計算する

今回の条件では、流量50L/minを必要としています。毎分50Lは、1時間あたりに換算すると約3m³/hになります。

また、圧損65kPaは水頭に換算すると、およそ6.6m程度になります。実際の選定では、この圧損に加えて配管高さ、バルブ、継手、入口側条件などを考慮して必要揚程を決めます。

さらに粘度による性能低下を考慮し、安全率を取ったポンプ容量を選定することが一般的です。

遠心ポンプを選ぶ場合の注意点

粘度300cP程度であれば、条件によっては遠心ポンプを使用できる場合もあります。

ただし、遠心ポンプは羽根車によって運動エネルギーを与える方式のため、粘度が高くなるほど流量や揚程が低下し、効率も悪化します。

例えば、水では50L/min送れるポンプでも、CMC水溶液では同じ性能が出ない可能性があります。そのため、メーカーの粘度補正データを確認する必要があります。

CMCの性質を考慮したポンプ選定のポイント

CMC水溶液は、単純に粘度が高いだけではなく、せん断によって粘度が変化する性質を持つ場合があります。

そのため、高速回転するポンプでは液の性状変化や発熱が問題になることがあります。

例えば、品質管理が重要な食品用途や化粧品用途では、液体へのダメージが少ない低速回転型の容積式ポンプが選ばれることがあります。

実際の選定ではメーカーへの確認が重要

ポンプ選定では、流量、圧力、粘度だけでは完全な判断ができません。

実際には、液温、CMC濃度、比重、固形分の有無、吸込条件、連続運転時間なども確認します。

そのため、ポンプメーカーへ「CMC水溶液、粘度300cP、流量50L/min、必要差圧65kPa」という条件を提示し、性能曲線や試験結果を確認することが確実です。

まとめ:300cPのCMC水溶液なら容積式ポンプを中心に検討する

粘度300cP程度のCMC水溶液を50L/minで送液する場合、一般的にはモーノポンプやスクリューポンプなどの容積式ポンプが有力な選択肢になります。

ただし、使用目的や液の性状によっては遠心ポンプでも対応できる場合があります。重要なのは、粘度による性能低下や液への影響を考慮して選定することです。

ポンプ選定では、単純な流量計算だけではなく、液体の性質を理解した上で適切な方式を選ぶことが、安定した運転につながります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました