関数の連続性を学ぶとき、「極限値が関数値と一致すれば連続なのか」「有理数と無理数で場合分けされた関数は連続になるのか」といった疑問が出てきます。特に、有理数と無理数で異なる値を取る関数は、連続性を理解するための代表的な例です。この記事では、連続の条件を確認しながら、f(x)=x(xが無理数)、-x(xが有理数)のような関数がx=0で連続かどうかを詳しく解説します。
関数が連続であるための3つの条件
ある関数f(x)がx=aで連続であるためには、次の3つの条件を満たす必要があります。
- f(a)が存在すること
- lim(x→a)f(x)が存在すること
- lim(x→a)f(x)=f(a)であること
つまり、x=aの近くで関数の値がどのように変化しても、xをaに近づけたときの値(極限)が実際の関数の値と一致すれば、その関数はaで連続と言えます。
ただし、ここで重要なのは「左右どちらから近づいても同じ値に近づく」ということです。極限が存在しない場合、連続条件を満たすことはできません。
有理数と無理数で値が変わる関数を考える
今回の関数は、次のような場合分けされた関数です。
f(x)=x(xが無理数のとき)、f(x)=-x(xが有理数のとき)
この関数では、同じ区間の中に有理数も無理数も無限に存在するため、xを0に近づけるとき、有理数の場合と無理数の場合の両方の値を考える必要があります。
例えば、x=0.1付近でも、有理数の値と無理数の値が交互に現れます。そのため、単純に1本の式だけを見ることはできません。
x=0での関数値を確認する
まず、x=0の場合を考えます。0は有理数なので、関数の定義より、
f(0)=-0=0
となります。したがって、関数値自体は存在し、f(0)=0です。
次に確認するべきなのは、xを0に近づけたときの極限が0になるかどうかです。
x→0の極限を調べる
xが無理数の場合、f(x)=xなので、xを0に近づければ、
f(x)→0
となります。
一方、xが有理数の場合、f(x)=-xなので、こちらもxを0に近づけると、
f(x)→0
となります。
つまり、有理数から近づいても無理数から近づいても、どちらの場合も同じ0に近づきます。そのため、
lim(x→0)f(x)=0
となります。
この関数はx=0で連続なのか
ここまで確認した内容を整理すると、
- f(0)=0である
- lim(x→0)f(x)=0である
- 極限値と関数値が一致している
したがって、この関数はx=0で連続です。
一見すると、有理数と無理数で式が変わるため不連続に見えます。しかし、0付近ではどちらの式を使っても値が0に近づくため、連続性は保たれています。
連続ではない代表的な例との違い
有理数と無理数で値が大きく異なる関数では、連続でなくなる場合があります。代表例として、
g(x)=1(xが有理数)、0(xが無理数)
という関数があります。この場合、xをどれだけ0に近づけても、有理数なら1、無理数なら0になるため、近づく値が一定になりません。
そのため極限が存在せず、どの点でも連続ではありません。この例と比較すると、今回の関数が連続になる理由が分かりやすくなります。
連続性を判断するときのポイント
場合分けされた関数を見るときは、式の形だけで判断せず、極限が存在するかを確認することが重要です。
特に有理数と無理数で定義が変わる関数では、「それぞれの場合で近づいたときの値が同じになるか」を調べます。
例えば、xが0に近づくときに両方の値が0に近づくなら連続の可能性があります。しかし、一方が1、もう一方が0に近づくような場合は連続ではありません。
まとめ
関数がx=aで連続であるためには、f(a)が存在し、極限lim(x→a)f(x)が存在し、その値がf(a)と一致する必要があります。
有理数と無理数で値が変わる関数でも、必ず不連続になるわけではありません。今回のf(x)=x(無理数)、-x(有理数)は、有理数から近づいても無理数から近づいても0に近づくため、x=0で連続です。
連続性を判断するときは、「式が複雑かどうか」ではなく、「その点に近づいたとき値が1つに決まるか」「その値が関数自身の値と一致するか」を確認することが大切です。

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