複素数平面では、点の移動を複素数の差で表すことで、図形的な性質や極限を考えることができます。今回のような問題では、隣り合う点の移動ベクトルがαやその共役複素数によって変化するため、数列の漸化式と複素数の性質を組み合わせて考えることが重要です。
この記事では、与えられた点列 z1,z2,z3,… について、偶数番目・奇数番目の点が一直線上に並ぶ理由と、最終的に収束する点 w の求め方を順番に解説します。
まず移動ベクトルに注目する
点列の条件は、隣り合う点の差を使って表されています。ここで、各移動をベクトルとして考えます。
初めに z1=0、z2=1 なので、最初の移動ベクトルは
z2-z1=1
となります。
また条件より、
z3-z2=α(z2-z1)=α
となります。さらに次の移動では、
z4-z3=ᾱ(z3-z2)=ᾱα=|α|²
となります。
ここで重要なのは、αとᾱを掛けると実数である |α|² になるという点です。
(1) z2n+2−z2n=|α|²(z2n−z2n−2) の証明
まず、条件式から偶数番号の差を考えます。
z2n+2−z2n は、途中の点を使って分けることができます。
z2n+2−z2n=(z2n+2−z2n+1)+(z2n+1−z2n)
ここで、与えられた漸化式より、
z2n+2−z2n+1=ᾱ(z2n+1−z2n)
となります。
したがって、
z2n+2−z2n=(ᾱ+1)(z2n+1−z2n)
となりますが、このままでは前の偶数点との差が出ません。
そこで一つ前の式を利用します。
z2n−z2n−1=ᾱ(z2n−1−z2n−2)
および
z2n+1−z2n=α(z2n−z2n−1)
より、
z2n+1−z2n=αᾱ(z2n−z2n−2)=|α|²(z2n−z2n−2)
となります。
よって、偶数番号の点の移動は一定倍率 |α|² で縮小されながら続くことが分かります。
(2) 偶数番目と奇数番目の点が一直線上にある理由
次に、偶数番目の点 z2,z4,z6,… を考えます。
(1)で示した式から、
z2n+2−z2n=|α|²(z2n−z2n−2)
となっています。
|α|² は0より大きい実数です。そのため、隣り合う偶数点を結ぶベクトルは、常に同じ方向を向きます。
つまり、
z4−z2、z6−z4、z8−z6
はすべて同じ向きを持つ実数倍の関係になります。
したがって、偶数番目の点は同一直線上に存在します。
同様に奇数番目についても、
z2n+1−z2n−1
を考えると、同じように |α|² 倍の関係が成り立つため、奇数番目の点も同一直線上に並びます。
つまり、偶数列と奇数列はそれぞれ別々の直線を作ります。
(3) 収束する点 w を求める
点列全体の極限を求めるには、移動量がどのようになるかを調べます。
αは0<|α|<1を満たすため、
|α|²<1
です。
つまり、偶数番目の点の移動量は毎回 |α|² 倍され、小さくなっていきます。
これは等比数列の形になるため、無限に足し合わせることで極限を求めることができます。
偶数番目について、
z2=1
であり、次の移動量は
z4−z2=|α|²
さらにその次は
|α|⁴
となります。
したがって偶数列の極限は、
w=1+|α|²+|α|⁴+…
ではなく、実際の移動方向を考慮すると、初期点からのベクトル和として
w=1+α+αᾱ+αᾱα+…
の形になります。
これは公比がαまたはᾱを含む等比級数として整理でき、|α|<1なので収束します。
計算すると、極限点は
w=rac{1}{1-α}
となります。
複素数平面でこの問題を解くポイント
この問題の重要なポイントは、複素数の掛け算が回転と拡大縮小を表すことです。
αは虚数なので、点を回転させながら縮小する働きを持ちます。しかし、αと共役複素数ᾱを組み合わせると、回転成分が打ち消されて、
αᾱ=|α|²
という実数になります。
その結果、偶数列・奇数列では方向が変化せず、一直線上に並ぶという幾何学的な性質が現れます。
まとめ
この点列問題では、隣り合う点の差を移動ベクトルとして考えることが解法の基本になります。
αとᾱの積が|α|²という実数になることから、偶数番目・奇数番目の点はそれぞれ同一直線上に並びます。
また、0<|α|<1という条件によって移動量は次第に小さくなり、点列は一定の複素数 w に収束します。
複素数平面の漸化式問題では、代数的な計算だけでなく、ベクトルの向きや大きさを見ることで図形的な意味を理解すると解きやすくなります。


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