電気式エレベーターはいつ発明された?実用化された国と歴史をわかりやすく解説

建築

現在では高層ビルやマンションに欠かせない設備となっているエレベーターですが、電気で動く近代的なエレベーターがいつ、どこの国で実際に使われ始めたのかは、意外と知られていません。この記事では、人力や蒸気式の昇降装置ではなく、電気式エレベーターに限定して、その発明から実用化までの歴史を解説します。

電気式エレベーターが登場するまでの歴史

エレベーターそのものの考え方は古く、古代ローマや古代エジプトでも、人力や動物の力を利用した昇降装置が使われていた記録があります。しかし、これらは現代のエレベーターとは異なり、人や荷物を安全かつ効率的に上下移動させる設備として発展したものではありませんでした。

18世紀から19世紀にかけては、蒸気機関を利用した昇降機が登場しました。特に産業革命によって工場や倉庫で荷物を運ぶ需要が高まり、動力式の昇降装置が発展していきました。

ただし、初期の蒸気式エレベーターは安全性に問題があり、万一ワイヤーが切れると落下する危険がありました。そのため、人が乗る設備として広く普及するには、安全装置の開発が必要でした。

世界初の実用的なエレベーターはアメリカで登場した

現代のエレベーターにつながる大きな転換点は、アメリカの発明家エリシャ・オーティスによる安全装置の開発です。1854年、ニューヨークで開催された展示会で、ワイヤーが切れても落下しない安全装置を実演しました。

この安全装置によって、人が乗るエレベーターの信頼性が大きく向上しました。その後、オーティス社は建物用エレベーターの製造を進め、19世紀後半の高層建築の発展を支える存在となりました。

ただし、この時代のエレベーターは主に蒸気や水圧を利用したものであり、まだ電気式ではありませんでした。

世界初の電気式エレベーターは1880年代にドイツで開発された

電気を動力として利用するエレベーターは、19世紀後半に登場しました。一般的に、世界初の実用的な電気式エレベーターは、ドイツの発明家ヴェルナー・フォン・ジーメンスによって開発されたものとされています。

ジーメンスは1880年、ドイツ・マンハイムで開催された産業博覧会において、電動モーターを利用したエレベーターを展示しました。これは電気モーターによって昇降する近代的なエレベーターの先駆けとなりました。

その後、電動技術の発展により、エレベーターは蒸気式や水圧式から電気式へと移行していきました。

建物に実際に設置された電気式エレベーターの普及時期

電気式エレベーターが建物設備として本格的に利用され始めたのは、1880年代後半から1890年代にかけてです。

特にアメリカでは、高層建築の発展とともにエレベーター需要が急速に高まりました。1890年代には、電動式エレベーターが商業ビルやホテルなどで使われるようになり、高層化する都市の重要なインフラになりました。

例えば、シカゴやニューヨークでは、エレベーターの発展によって建物の高さを大きくすることが可能になりました。階段だけでは利用が難しい高層階でも、人が快適に移動できるようになったためです。

日本で電気式エレベーターが使われ始めた時期

日本でも明治時代後半になると、西洋の技術を取り入れてエレベーターが導入されるようになりました。

日本初の電気式エレベーターとして有名なのは、1890年に東京・浅草に完成した凌雲閣に設置されたものです。凌雲閣は当時「浅草十二階」と呼ばれた日本初期の高層建築で、電動エレベーターが設置されました。

このエレベーターは日本の近代化を象徴する設備でしたが、故障なども多く、翌年には運転停止となりました。その後、技術の向上とともに日本でもエレベーターは普及していきました。

まとめ:電気式エレベーターの実用化は19世紀末の技術革新から始まった

電気式エレベーターの歴史を見ると、発祥の大きな流れは19世紀後半のヨーロッパとアメリカにあります。

特に、1880年にドイツのジーメンスが電動エレベーターを発表したことは、現代の電気式エレベーターにつながる重要な出来事でした。その後、アメリカを中心に建物への実用化と普及が進みました。

つまり、古代の人力式昇降装置を除けば、電気で動くエレベーターは19世紀末にドイツで技術的基礎が作られ、アメリカなどで建築設備として発展したものと考えることができます。

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