数学Bの数列では、和Snと一般項anの関係として「an=Sn−S(n−1)」という公式を学びます。一方で、階差数列では「bn=a(n+1)−an」と表すため、「なぜan=S(n+1)−Snではいけないのか」と疑問に感じる人も多くいます。
実は、an=S(n+1)−Snという式も条件を考えれば間違いではありません。ただし、通常の数列の定義や番号の対応を考えると、使う場面が異なります。この記事では、和Snと一般項anの関係を分かりやすく解説します。
Snとは数列の最初から第n項までの和を表す
まず、Snの意味を確認することが重要です。数列a1,a2,a3,…に対して、Snは第1項から第n項までを足したものです。
つまり、以下のようになります。
S1=a1
S2=a1+a2
S3=a1+a2+a3
このようにSnは「n番目までの合計」を表しています。
そのため、SnとS(n−1)の差を考えると、第n項だけが残ります。
Sn=a1+a2+…+a(n−1)+an
S(n−1)=a1+a2+…+a(n−1)
したがって、
Sn−S(n−1)=an
となります。
an=S(n+1)−Snも実は成り立つ
では、なぜan=S(n+1)−Snではいけないのでしょうか。結論から言うと、この式はそのままでは「an」ではなく「a(n+1)」になります。
S(n+1)は、第1項から第(n+1)項までの和なので、
S(n+1)=a1+a2+…+an+a(n+1)
一方、
Sn=a1+a2+…+an
です。
この2つを引くと、
S(n+1)−Sn=a(n+1)
になります。
つまり、S(n+1)−Snで求まるのは第n項ではなく、第(n+1)項なのです。
番号のずれが公式の違いを生む
数列では、添字(番号)の違いが非常に重要です。a(n+1)とanは似ていますが、別の項を表しています。
例えば、数列1,3,5,7,…を考えるとします。
S3=1+3+5=9
S2=1+3=4
この場合、
S3−S2=5
となり、第3項a3を求めています。
一方で、
S4−S3=16−9=7
となり、これは第4項a4です。
つまり、「どの和とどの和を引くか」によって取り出される項の番号が変わります。
階差数列との違いは何か
階差数列では、元の数列の隣り合う項の差を考えます。そのため、
bn=a(n+1)−an
と表します。
これは「次の項から現在の項を引く」という定義になっているため、a(n+1)が登場します。
一方、Snとanの関係では、「和から一部分を取り除いて残った項」を考えています。そのため、
an=Sn−S(n−1)
になります。
どちらも差を取っている点は同じですが、何の差を取っているのかが違います。
公式を覚えるときは意味を理解すると混乱しない
数列の公式は形だけ暗記すると、今回のような疑問が生まれやすくなります。
「Snはn番目までの和」「S(n+1)はn+1番目までの和」という意味を理解していれば、どちらの式で何が求まるか判断できます。
例えば、Sn−S(n−1)は「n番目まで足したものから、n−1番目までを引く」ので、最後に追加されたanだけが残ると考えれば分かりやすくなります。
まとめ|an=S(n+1)−Snではなくa(n+1)になる理由
数列の和Snと一般項anの関係では、an=Sn−S(n−1)となります。これは、第n項までの和から第(n−1)項までの和を引くことで、第n項だけが残るためです。
一方で、S(n+1)−Snは第(n+1)項までの和から第n項までの和を引くため、求まるのはa(n+1)になります。
階差数列の公式と似ているため混乱しやすいですが、「どの項を取り出している差なのか」を意識すると、数列の公式を正しく理解できるようになります。

コメント