差分微分方程式は、通常の微分方程式とは異なり、未知関数の微分だけでなく、ずらした位置の関数 y(x+2) のような項が含まれる方程式です。特殊解を求める場合は、右辺の形に合わせた仮定を立て、代入して係数を決定する方法が基本になります。
この記事では、方程式 y”(x)-y(x+2)=e^x cosx の特殊解を求める流れを、計算過程を追いながら解説します。
差分微分方程式の形を確認する
与えられた方程式は次の形です。
y”(x)-y(x+2)=e^x cosx
左辺には2つの特徴があります。1つ目は2階微分 y”(x)、2つ目は引数が2だけずれた y(x+2) です。
右辺は e^x cosx という形なので、特殊解も同じ種類の関数を仮定して考えます。
特殊解の形を仮定する
右辺が e^x cosx の場合、通常の微分方程式と同じ考え方で、特殊解を次の形に置きます。
y_p(x)=e^x(A cosx+B sinx)
A、Bは定数で、この値を求めることで特殊解が決定します。
1階・2階微分を計算する
まず、
y=e^x(A cosx+B sinx)
とします。
1階微分すると、積の微分を使って、
y’=e^x(A cosx+B sinx)+e^x(-A sinx+B cosx)
整理すると、
y’=e^x((A+B)cosx+(B-A)sinx)
となります。
さらにもう一度微分すると、
y”=e^x(2B cosx-2A sinx)
となります。
y(x+2)を計算する
次に、ずれた関数 y(x+2) を求めます。
y(x+2)=e^{x+2}(A cos(x+2)+B sin(x+2))
ここで三角関数の加法定理を使います。
cos(x+2)=cosx cos2-sinx sin2
sin(x+2)=sinx cos2+cosx sin2
したがって、
y(x+2)=e^2e^x(A(cosx cos2-sinx sin2)+B(sinx cos2+cosx sin2))
となります。
方程式へ代入して係数を比較する
求めた y” と y(x+2) を元の式へ代入します。
y”-y(x+2)=e^x cosx
両辺から e^x を共通因子として取り出すと、cosx と sinx の係数を比較できます。
cosxの係数、sinxの係数についてそれぞれ連立方程式を作り、AとBを求めます。
cosxの係数。
2B-e^2(A cos2+B sin2)=1
sinxの係数。
-2A-e^2(-A sin2+B cos2)=0
この2つの式を解くことで、特殊解の係数A、Bが決定します。
差分微分方程式で特殊解を求めるポイント
今回のような問題では、右辺の形を見て特殊解の候補を作ることが重要です。
e^x cosx が右辺にある場合、e^x cosx と e^x sinx の組み合わせを考えます。これは微分しても同じ種類の関数が残るためです。
また、y(x+2)のような項がある場合は、引数のずれを正確に処理することが計算のポイントになります。
まとめ
差分微分方程式 y”(x)-y(x+2)=e^x cosx の特殊解は、右辺の形に合わせて
y_p(x)=e^x(A cosx+B sinx)
と仮定し、微分した式と y(x+2) を代入して係数を比較することで求められます。
差分を含むため通常の微分方程式より計算は複雑ですが、「右辺に合わせた形を仮定する」「ずれた関数を正確に展開する」という2つのポイントを押さえると解くことができます。


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