大きな地震が発生した後、「断層はすべて動いたのか」「まだ割れていない部分が残っているのではないか」と疑問に感じることがあります。特に新潟県中越地震や北海道胆振東部地震のような大規模な地震では、地下の断層がどのような状態になっているのか注目されます。
実際の地震では、断層全体が均一にずれるわけではありません。大きく動いた場所もあれば、ほとんど動かなかった場所もあり、それらを「割れ残り」と呼ぶことがあります。この記事では、割れ残りの意味や、中越地震・胆振東部地震でどのように調査されているのかを解説します。
地震でいう「割れ残り」とは何か
地震は地下の断層が急激にずれることで発生します。しかし、断層面全体が一度に完全に動くとは限りません。地震のエネルギーが放出された場所と、まだ歪みが残っている場所が存在する場合があります。
このように、地震時に周囲が大きく動いたにもかかわらず、十分にずれなかった部分を「割れ残り」と呼びます。割れ残りは、将来的に再び地震を起こす可能性がある場所として研究対象になります。
ただし、割れ残りがあるからといって、すぐに同じ場所で大地震が起きるという意味ではありません。地下の状態や断層の性質を総合的に判断する必要があります。
新潟県中越地震の断層と割れ残りの調査
2004年に発生した新潟県中越地震は、マグニチュード6.8の直下型地震で、山間部を中心に大きな被害をもたらしました。この地震では、地下の断層が複雑に動いたことが分かっています。
中越地震の震源断層については、地震波の解析や地殻変動の観測などによって、断層のどの部分が大きく滑ったのかが調べられました。その結果、断層面のすべてが同じように破壊されたわけではなく、滑りの小さい領域も確認されています。
特に内陸の活断層では、地下構造が複雑であるため、「ここが完全に割れ残りである」と単純に判断することは難しく、複数の観測結果を組み合わせて評価されています。
北海道胆振東部地震の断層にも割れ残りはあるのか
2018年に発生した北海道胆振東部地震は、マグニチュード6.7の地震で、北海道で初めて最大震度7を観測しました。この地震では、厚真町周辺を中心に大きな被害が発生しました。
胆振東部地震では、明瞭な地表断層が長く現れるタイプの地震ではありませんでした。そのため、地下の断層がどのように破壊したのかについては、地震波解析や地殻変動データなどを用いて詳しく研究されています。
解析では、断層面の中で大きく滑った部分と、滑りが比較的小さい部分が存在すると考えられています。つまり、地下の断層には一様ではない破壊の跡が残っており、割れ残りに相当する領域が存在する可能性があります。
割れ残りがあると次の地震につながるのか
割れ残りは、将来的な地震発生を考える上で重要な情報ですが、単純に「残った部分が次に動く」と決まっているわけではありません。
断層には、それぞれ異なる性質があります。地下の岩盤の硬さ、周囲からかかる力、断層の摩擦特性などによって、次にどこが動くかは変化します。
例えば、大きな地震の後に同じ断層の別の部分が動く場合もありますが、別の場所で新たな地震が発生することもあります。そのため、研究者は一つの地震だけではなく、長期間の観測を続けています。
地震後の断層はどのように調べられているのか
地震後の断層調査では、地震計による観測、GPSによる地殻変動の測定、人工衛星による地表の変化の解析などが利用されます。
また、地下の構造を調べるために、過去の地震活動や活断層の位置、地質調査なども組み合わせます。こうした研究によって、どの場所でどの程度断層が動いたのかを推定しています。
現在の科学では、断層の状態を完全に直接見ることはできません。そのため、さまざまな観測データから地下の状態を推測する方法が取られています。
まとめ:中越地震や胆振東部地震でも断層の滑りには偏りがある
新潟県中越地震や北海道胆振東部地震では、断層全体が均一に破壊したわけではなく、滑りの大きい場所と小さい場所が存在すると考えられています。そのため、広い意味では割れ残りに相当する部分が存在する可能性があります。
しかし、割れ残りがあるからといって、そこが必ず近いうちに大地震を起こすとは限りません。地震発生の仕組みは非常に複雑で、地下の力のかかり方や断層の特徴を総合的に見る必要があります。
地震研究では、過去の地震で断層がどのように動いたかを詳しく調べることで、将来の地震への備えにつなげています。


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