「男はつらいよ」のゲストヒロインや「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」などに登場する女性ゲストを指して使われる「マドンナ」という言葉。華やかで特別な女性という印象がありますが、アメリカの大物歌手Madonna(マドンナ)から生まれた言葉なのか疑問に思う人も少なくありません。
この記事では、日本語として定着している「マドンナ」の本来の意味や語源、映画やテレビ番組で使われるようになった背景について詳しく解説します。
「マドンナ」は歌手Madonnaが語源ではない
結論から言うと、日本で使われている「マドンナ」という表現は、アメリカの歌手マドンナ(Madonna Louise Ciccone)から生まれたものではありません。
日本語で使われる「マドンナ」は、もともとイタリア語の「Madonna(マドンナ)」に由来しています。この言葉は「我が貴婦人」「聖母マリア」を意味する言葉です。
つまり、歌手のマドンナが世界的に有名になる以前から、「マドンナ」という言葉は存在していました。歌手名も、このイタリア語の言葉から名付けられています。
イタリア語の「Madonna」が持つ本来の意味
イタリア語の「Madonna」は、直訳すると「私の貴婦人」という意味になります。「ma(私の)」と「donna(女性・婦人)」が組み合わさった言葉です。
キリスト教文化では、特に聖母マリアを指す言葉として使われてきました。絵画の世界でも、聖母子像は「マドンナ」と呼ばれることがあります。
例えば、ルネサンス期の画家が描いた聖母マリアの絵画は「マドンナ像」と呼ばれ、美しさや慈愛を象徴する存在として扱われてきました。
日本で「マドンナ」が女性の呼び名になった理由
日本では、次第に「多くの人から憧れられる女性」「特別な存在の女性」という意味で「マドンナ」という言葉が使われるようになりました。
学校や職場などで「みんなのマドンナ」と言えば、多くの人から人気があり、魅力的な女性を表します。これは聖母マリアが持つ美しさや尊いイメージから派生した使われ方です。
そのため、映画やテレビ番組で男性主人公の心を惹きつける女性や、作品を華やかにする女性ゲストを「マドンナ」と呼ぶようになりました。
「男はつらいよ」のマドンナの意味
映画「男はつらいよ」シリーズでは、主人公の車寅次郎と恋愛関係になる女性や、物語の中心となる女性ゲストを「マドンナ」と呼びます。
ここでのマドンナは、単なる女性出演者という意味ではありません。寅さんが淡い恋心を抱く、作品ごとの特別な女性という位置付けです。
例えば、倍賞千恵子演じる妹のさくらとは異なり、各作品に登場するゲストヒロインは寅さんの恋の相手として描かれるため、「マドンナ」という呼び方が定着しました。
テレビ番組の女性ゲストを「マドンナ」と呼ぶ理由
テレビ番組などで女性ゲストを「マドンナ」と表現する場合も、基本的な意味は同じです。その場に華やかさを加える女性、視聴者や出演者から注目される存在という意味で使われています。
例えば「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」では、旅人として参加する女性ゲストが番組の雰囲気を変える重要な役割を持つため、「マドンナ」と呼ばれることがあります。
これは恋愛対象という意味だけではなく、「番組における華」「特別な女性出演者」というニュアンスで使われています。
歌手マドンナとの関係はまったくないのか
日本で使われる「マドンナ」と歌手のマドンナは、語源としては同じイタリア語にたどり着きます。しかし、日本の映画やテレビで使われる「マドンナ」という表現が、歌手マドンナの人気から生まれたわけではありません。
むしろ、歌手マドンナ自身が「Madonna」という言葉を芸名として選んだ背景に、聖母マリアを意味するイタリア語があります。
つまり両者は同じ語源を持っていますが、日本の「男はつらいよ」などで使われるマドンナは、古くからある「憧れの女性」「特別な女性」という意味から発展したものです。
まとめ
映画やテレビ番組で使われる「マドンナ」という言葉は、アメリカの歌手Madonnaが由来ではありません。
語源はイタリア語の「Madonna」で、もともとは聖母マリアや貴婦人を意味する言葉でした。そこから日本では「多くの人に憧れられる女性」「作品を彩る特別な女性」という意味で使われるようになりました。
そのため、「男はつらいよ」のゲストヒロインやテレビ番組の女性ゲストをマドンナと呼ぶのは、歌手名ではなく、昔から続く言葉の意味に基づいた表現だと言えます。


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