コンパスと定規だけを使って図形を作る古典的な作図問題では、「どんな角度でも自由に作れる」と思われがちですが、実は作れる角度には条件があります。20度の作図についても、できるという情報とできないという情報があり、混乱する人が少なくありません。
この記事では、コンパスと定規による作図の仕組み、20度がなぜ難しいのか、そして数学的には本当に可能なのかを分かりやすく解説します。
コンパスと定規だけで作図するとは何か
古典的な作図とは、目盛りのない定規とコンパスだけを使って図形を作る方法です。定規では直線を引くことができ、コンパスでは円を描いたり、同じ長さを移したりすることができます。
例えば、60度の角度を作ることは簡単です。正三角形を作れば、三つの角がすべて60度になるため、基準となる角度として利用できます。
しかし、20度のように60度を3等分した角度を作る場合、単純な方法では実現できません。ここで重要になるのが「角の三等分問題」です。
20度が作れるかどうかのポイントは角の三等分問題
20度は60度の3分の1です。そのため、60度の角を3等分できれば20度を作ることができます。
しかし、任意の角度をコンパスと定規だけで3等分することは不可能であることが証明されています。これは古代ギリシャから研究されてきた有名な数学の未解決問題の一つでした。
19世紀になり、数学者によって「一般的な角の三等分は作図不可能」であることが証明されました。そのため、60度を正確に3等分して20度を作る方法は存在しません。
では20度は絶対に作れないのか
ここで注意が必要なのは、「どんな20度も作れない」という意味ではないことです。
例えば、特定の条件を持った図形や、別の補助線を使う特殊な方法では、結果的に20度に近い角度や特定の形を作ることができる場合があります。また、定規に目盛りがある場合や、角度を測定できる道具を使えば簡単に20度は作れます。
しかし、純粋に「任意の60度の角を3等分して20度を作る」という意味では、通常のコンパスと定規による作図では不可能です。
作図可能な角度にはどのような特徴があるのか
コンパスと定規で作れる角度は、数学的には作図可能数と呼ばれる数によって決まります。これは、四則演算や平方根の計算を組み合わせて表せる数と関係しています。
例えば、30度は60度の半分なので作図できます。また、45度も90度を二等分することで作ることができます。
一方で、20度のように三等分が必要になる角度は、平方根だけでは表現できない性質を持つため、一般的な作図では扱えません。
なぜインターネットでは「20度は作れる」という情報もあるのか
20度について検索すると、「作れる」という説明が見つかることがあります。これは、いくつかの理由があります。
一つは、近似作図を「作れる」と表現している場合です。実用上は非常に近い角度を作る方法があり、それを20度作図として紹介していることがあります。
もう一つは、コンパスと定規以外の条件を加えている場合です。例えば、折り紙の折り方や特殊な曲線を利用すると角の三等分が可能になる場合がありますが、これは古典的作図の条件とは異なります。
20度を正確に作る方法は存在するのか
正確な20度を作るには、分度器や角度を測れる道具を使う方法が最も簡単です。また、コンピューターやCADなどを利用すれば数値として20度を指定できます。
数学的な作図問題として考える場合には、古典的な条件を守る必要があります。その条件では、20度を正確に作ることはできません。
つまり、「現実の道具を使えば作れる」「数学の作図問題では作れない」という二つの話が混ざることで、情報が分かりにくくなっています。
まとめ
コンパスと目盛りのない定規だけで20度を正確に作ることは、一般的な古典的作図では不可能です。
理由は、20度を作るには60度の角を3等分する必要があり、任意の角の三等分がコンパスと定規ではできないことが数学的に証明されているためです。
ただし、近似的な方法や別の道具を使った方法なら20度を作ることは可能です。「作れる」という情報を見た場合は、古典的作図の条件を満たしているかどうかを確認すると、混乱せずに判断できます。


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