経済学入門で頻出する「45度分析」と「有効需要の原理」は、国民所得がどのように決まるのかを理解するための基本的な考え方です。特にケインズ経済学では、企業の生産量や所得水準は需要によって決定されると考えます。
この記事では、45度分析のグラフの意味、有効需要の原理との関係、そして国民所得が決定される仕組みについて、文章と図のイメージを用いてわかりやすく解説します。
45度分析とは何か
45度分析とは、総供給(生産額)と総需要(支出額)が一致する点を利用して、均衡国民所得を求める分析方法です。ケインズ経済学において、景気や所得の決定を説明する重要なモデルとして使われます。
グラフでは、横軸に国民所得(Y)、縦軸に総需要(AD)を置きます。そして、原点から右上に伸びる45度線を描きます。
45度線は「生産された所得(Y)と支出された金額(AD)が等しい状態」を表しています。つまり、45度線上では、総供給と総需要が一致しています。
45度分析のグラフの考え方
45度分析のグラフは以下のような形になります。
【45度分析のイメージ】
縦軸:総需要(AD)
│ AD
│ /
│ /
│ ● E(均衡点)
│ /
│ /
│__________横軸:国民所得(Y)
45度線と総需要曲線が交わる点Eが、均衡国民所得を示します。
この点では、生産された財やサービスの価値と、人々や企業が購入する財・サービスの価値が一致しています。
有効需要の原理とは
有効需要の原理とは、経済全体の生産量や所得は、実際に支出される需要の大きさによって決まるという考え方です。
古典派経済学では「供給が需要を生み出す」と考えられていました。しかし、ケインズは不況時には需要不足が発生し、生産や雇用が低下すると考えました。
つまり、企業は売れる見込みのある量だけ生産するため、消費や投資などの需要が少なければ、国民所得も低い水準で決まってしまいます。
45度分析と有効需要の原理の関係
45度分析は、有効需要の原理を図で説明するための方法です。
総需要が増加すると、総需要曲線は上に移動します。その結果、45度線との交点も右上へ移動し、均衡国民所得は増加します。
例えば、政府が公共投資を増やした場合、道路建設などへの支出が増えます。すると企業の売上が増加し、従業員の所得も増えます。その所得によって消費が増加し、さらに生産が拡大します。
このように需要の増加が所得の増加につながることを、有効需要の原理によって説明できます。
乗数効果による所得の拡大
有効需要の原理では、最初の需要増加がそれ以上の所得増加を生み出す「乗数効果」も重要です。
例えば、政府が100億円の公共投資を行った場合、その100億円は企業の収入になります。企業が従業員の給与や仕入れ代金として支払うことで、別の人の所得になります。
その所得を得た人が消費を行うことで、さらに別の企業の売上となり、経済全体の所得が増加していきます。
45度分析で注意すべきポイント
45度分析では、均衡点は必ずしも完全雇用を意味するわけではありません。
需要が不足している場合、45度線と総需要曲線の交点が低い所得水準になることがあります。この状態では失業が発生する可能性があります。
そのためケインズ経済学では、政府による財政政策などによって需要を増やし、国民所得を高めることが重要だと考えます。
まとめ
45度分析とは、総需要と総供給が一致する均衡国民所得をグラフで示す方法です。45度線と総需要曲線の交点が、経済全体の所得水準を表します。
有効需要の原理では、国民所得は供給だけではなく、実際の需要によって決定されると考えます。需要が増えれば生産や所得も増加し、乗数効果によって経済全体へ影響が広がります。
45度分析と有効需要の原理を理解することで、不況や政府の経済政策がなぜ必要なのかを説明できるようになります。


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