ベルギーが「白耳義」と表記される理由とは?明治時代の外国名の漢字表記の仕組みを解説

中国語

外国の国名を漢字で表す「当て字」は、現在ではあまり使われなくなりましたが、明治時代には新聞や公文書などで広く使用されていました。ベルギーの「白耳義」やスイスの「瑞西」などは、その代表的な例です。なぜベルギーが「白耳義」と書かれるのか、中国語の発音が関係しているのか、また当時の日本人はどのように理解していたのかを詳しく解説します。

「白耳義」はベルギーの中国語表記が由来

「白耳義(はくじぎ)」は、ベルギー(Belgium)の漢字表記として使われたものです。この表記は日本で独自に作られたものではなく、中国で外国名を漢字で表す際に使われていた表記を日本が取り入れたものです。

中国語では外国の地名や人名を漢字で表記する際、意味よりも音を重視して漢字を選ぶことが多くあります。「白耳義」も、ベルギーの発音に近い音を持つ漢字を組み合わせたものです。

ただし、「耳」という漢字の中国語発音が日本語の「ル」と同じという意味ではありません。中国語の音を日本語のカタカナ発音にそのまま置き換えたものではなく、当時の中国語の音を基準にした音写です。

なぜ「ベルギー」が「白耳義」になるのか

中国語ではベルギーを現在でも「比利时(Bǐlìshí)」と表記しますが、歴史的には「比利時」以外にも「白耳義」などの表記が使われていました。

近代以前の中国では、外国語を漢字で表す方法が統一されておらず、同じ国でも複数の表記が存在することがありました。その中で、日本では一度定着した「白耳義」という表記が使われ続けました。

外国語の音を漢字で表す場合、完全に元の発音を再現することは難しいため、近い音の漢字を組み合わせます。そのため、現代の日本語話者から見ると「ベルギー」と「白耳義」の関係が分かりにくく感じられるのです。

「耳」は本当にベルギーの『ル』を表しているのか

「白耳義」の「耳」がベルギーの「ル」に対応しているように見えるため、中国語で「耳」がルと発音されるのかと疑問に思う人もいます。

しかし、これは正確には違います。「白耳義」は外国語の音を漢字で近似した表記であり、一字ごとに日本語の音や現在の中国語の音を当てはめて読むものではありません。

例えば英語の国名を漢字表記するときも、発音の一部分を漢字一字で表すことがあります。そのため、「耳=ル」という単純な対応関係ではなく、複数の漢字を組み合わせて外国語の響きを表現していると考える必要があります。

明治時代の日本人は「日白交流」でベルギーと分かったのか

明治時代に「日白交流」や「駐白大使」という表現が使われた場合、「白」はベルギーを意味しました。しかし、現代のように誰でもすぐ理解できたわけではありません。

当時の新聞や公文書では、外国名の漢字略称が一定の共通認識として使われていました。例えば、米国を「米」、英国を「英」、仏国を「仏」と表すように、外交や報道に関わる人々の間では一般的な表記でした。

一方で、一般の人々にとっては外国名の漢字表記すべてを理解していたわけではなく、文脈や説明によって判断していたと考えられます。

外国名の漢字略称は明治日本でどのように使われたのか

明治時代には、多くの外国名が漢字で表記されました。例えば、アメリカは「亜米利加」から「米国」、イギリスは「英吉利」から「英国」、フランスは「仏蘭西」から「仏国」と略されました。

これらの表記は新聞、外交文書、学校教育などで使われ、当時の知識人の間では一般的な表現でした。

現在でも「日米」「日英」「日仏」などの表現が残っているのは、この時代に作られた漢字略称が定着したためです。「日白」も同じ仕組みで、白がベルギーを指していました。

まとめ|「白耳義」は中国由来の音写であり日本独自の発音表記ではない

ベルギーを「白耳義」と書く理由は、中国で外国名を漢字で表した表記が日本にも伝わり、明治時代に使われたためです。

「耳」が中国語で「ル」と発音するからではなく、外国語の音を漢字で近似した結果として「白耳義」という表記になりました。

また、明治時代の日本では外交や新聞などで外国名の漢字略称が広く使われており、「日白交流」や「駐白大使」といった表現も一定の知識を持つ人々には理解されていました。現在では使われる機会が減りましたが、これらの表記は近代日本と中国の文化交流を知る上で興味深い歴史的な言葉です。

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