全単射f:ℕ→ℕでΣf(n)/n²が収束するものは存在するか?構成方法を解説

数学

自然数全体から自然数全体への全単射f:ℕ→ℕについて、無限級数Σ[n=1〜∞]f(n)/n²が有限になるような関数が存在するかという問題は、一見すると難しそうに見えます。
分子にf(n)があるため、f(n)が大きくなりすぎると級数は発散しそうですが、全単射の性質を利用してうまく配置すると収束させることができます。この記事では、このような全単射の具体的な作り方と考え方を解説します。

問題の意味を整理する

考える対象は、自然数から自然数への全単射fです。つまり、fは自然数を別の自然数に並べ替える関数であり、同じ値を2回取ることはなく、すべての自然数がどこかで現れます。

求めたい条件は、Σ(n=1〜∞) f(n)/n² < ∞となるような並べ替えが存在するかということです。

通常の関数f(n)=nならば、級数はΣ1/nとなり、調和級数になるため発散します。そのため、単純な並べ方では条件を満たしません。

ポイントは大きな値を大きなnに割り当てること

級数の各項はf(n)/n²です。分母はn²なので、nが大きい場所に大きな値f(n)を置けば、項を小さくすることができます。

つまり、自然数の並び替えを工夫して、「小さいnには小さい値を割り当て、大きい値はできるだけ後ろへ送る」という考え方が重要になります。

例えば、f(1),f(2),…の列を考えたとき、この列の前半に巨大な数を置いてしまうと、分母が小さいため級数への影響が大きくなります。

具体的な構成例

そこで、自然数を急速に増加する区間に分けて配置します。

例えば、区間ごとに次のような割り当てを考えます。

1〜2の位置には小さい自然数、3〜4の位置には次の小さい自然数、5〜8の位置にはさらに大きい自然数というように、指数的に広がる区間へ値を配置します。

より具体的には、2^k番目付近の位置には大きな値を配置するようにします。すると、大きな値Mが現れる位置nを十分大きくできるため、M/n²を小さく抑えることができます。

級数が収束することの確認

全単射による並び替えでは、各自然数は必ず1回だけ登場します。しかし、重要なのは「どの場所に配置するか」です。

例えば、f(n)がある区間でおおよそnの平方根以下になるように配置できれば、

f(n)/n² ≦ 1/n^(3/2)

のような評価が可能になります。右辺の級数Σ1/n^(3/2)はp級数で指数が1より大きいため収束します。

したがって、このような成長の遅い配置を実現できれば、求める条件を満たす全単射が存在します。

別の見方:級数は並べ替えで大きく変わる

この問題の面白い点は、自然数の値そのものではなく、どの順番で並べるかが重要になることです。

同じ自然数全体を使っていても、f(n)=nのような並べ方では発散します。一方で、大きな数を十分後ろへ移動させる並べ方では収束させることができます。

これは、条件付き収束する級数の並べ替えとは少し異なりますが、「配置によって無限和の性質が変わる」という考え方につながる例です。

なぜ全単射でも収束させられるのか

一見すると、「全単射ならすべての自然数が登場するので、大きな値が必ず出てきて発散するのではないか」と考えてしまいます。

しかし、問題は値の大きさではなく、その値がどのくらい大きなnの位置に置かれるかです。

例えば100万という値がn=10の場所に置かれれば影響は非常に大きいですが、n=100万以上の場所に置けば、100万/n²は非常に小さくなります。

まとめ|条件を満たす全単射は存在する

f:ℕ→ℕが全単射でありながら、Σf(n)/n²が有限になるような関数は存在します。

その理由は、全単射によってすべての自然数を使う必要があっても、大きな値を十分大きな番号の位置へ配置することで、各項f(n)/n²を小さくできるからです。

この問題の本質は、関数の値そのものではなく「自然数の並べ替え方」にあります。無限級数では、項の配置が収束性に大きな影響を与えることを示す興味深い例と言えます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました