空気圧回路でシリンダーの速度調整を行う際、スピードコントローラ(スピコン)の取付位置は重要なポイントになります。特に3ポジション(クローズドセンター)電磁弁を使用している場合、排気ポート側にサイレンサ付きスピコンを取り付けて速度調整してよいのか疑問に感じるケースがあります。この記事では、スピコンの基本的な取付方法や排気側に設置する場合のメリット・注意点について解説します。
スピードコントローラ(スピコン)の役割とは
スピードコントローラとは、空気圧シリンダーの動作速度を調整するための機器です。一般的には、圧縮空気の流量を制限することで、シリンダーの動く速さをコントロールします。
空気圧回路では、単純に圧力を下げて速度を調整するのではなく、流量を調整する方法が一般的です。これにより、シリンダーの動きを安定させることができます。
スピコンには大きく分けて「メータイン制御」と「メータアウト制御」があり、どちらの方法で調整するかによって取付位置が変わります。
一般的には排気側に取り付けるメータアウト制御が推奨される
空気圧シリンダーの速度制御では、排気側の流量を制限する「メータアウト制御」がよく利用されます。
メータアウト制御では、シリンダーから排出される空気を絞ることで、シリンダー内部の圧力変化を安定させます。そのため、負荷変動があっても動作が安定しやすい特徴があります。
例えば、垂直方向に動くシリンダーや、負荷が変化する装置では、排気側を制御することで急激な飛び出しや速度変化を防ぎやすくなります。
電磁弁の排気ポート(EX1・EX2)にスピコンを取り付ける場合
3ポジションのクローズドセンター電磁弁では、中立位置で供給ポートや出力ポートが遮断される構造になっています。このような回路で排気ポート(EX1、EX2)にサイレンサ付きスピコンを取り付けること自体は、回路構成によっては可能です。
ただし、排気ポート側に取り付ける場合、1台のスピコンで複数のアクチュエータやポートの排気流量を制御する形になる可能性があります。その場合、個別のシリンダー速度調整が難しくなることがあります。
通常は、電磁弁のAポート・Bポート側、つまりシリンダーへ接続される配管側にスピコンを取り付け、各方向の動きを個別に調整する方法が多く採用されています。
排気ポート側にスピコンを設置する場合の注意点
排気ポートにスピコンを取り付ける場合は、いくつか確認すべき点があります。まず、電磁弁内部の排気経路全体に影響するため、同じ電磁弁に接続される他の回路がある場合は動作への影響を確認する必要があります。
また、サイレンサ付きスピコンの場合、排気抵抗が大きくなることで、電磁弁の切替速度やシリンダーの応答性に影響する場合があります。
例えば、高速動作が必要な装置では排気抵抗によってシリンダーの停止位置が不安定になる可能性があります。そのため、実際の負荷条件で動作確認を行うことが重要です。
シリンダー速度を安定させるためのおすすめ取付方法
一般的な複動シリンダーでは、電磁弁のAポート・Bポート付近にスピコンを取り付ける方法が最も調整しやすいです。
特にシリンダー側へ直接取り付ける「インラインタイプ」のスピコンは、配管条件による影響を受けにくく、現場での調整もしやすいメリットがあります。
例えば、シリンダーの押し出し速度と戻り速度を別々に調整したい場合は、Aポート側とBポート側それぞれにスピコンを設置することで、希望する動作に細かく合わせることができます。
クローズドセンター電磁弁で考慮すべきポイント
クローズドセンターの3ポジション電磁弁では、中立時にシリンダーを停止保持する目的で使用されることがあります。しかし、空気は圧縮性があるため、油圧のように完全な位置保持をすることは難しい場合があります。
そのため、速度調整だけでなく停止時の挙動も確認する必要があります。スピコンの位置によっては、中立復帰時の圧力変化に影響を与えることがあります。
装置の用途によって最適な回路は異なるため、メーカーの推奨回路や使用条件を確認しながら調整することが重要です。
まとめ|排気側スピコンは使用可能だが用途に応じた確認が必要
3ポジション(クローズドセンター)電磁弁の排気ポート(EX1、EX2)にサイレンサ付きスピコンを取り付けることは、回路によっては可能です。
ただし、排気ポート側で全体の排気を制御する方法は、個別のシリンダー速度調整が難しくなる場合があります。一般的には、Aポート・Bポート側にスピコンを取り付けるメータアウト制御の方が調整しやすく、多くの空気圧回路で採用されています。
最適な取付位置は装置の構成や動作条件によって変わるため、実際のシステムで動作確認を行いながら調整することが大切です。


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