三菱FX0Nで立ち下がりパルスが使えない場合の代替回路とワンショット処理の方法

工学

三菱電機のシーケンサFXシリーズでは、機種によって使用できる命令やパルス処理機能に違いがあります。特にFX0Nでは立ち下がりパルス命令が使えないため、同じような動作を別の回路で作成する必要があります。この記事では、FX0Nで立ち下がり検出を実現する基本的な考え方と、実際のラダー回路で使える代替方法について解説します。

立ち下がりパルスとはどのような動作なのか

立ち下がりパルスとは、信号がONからOFFへ変化した瞬間だけ1スキャン分のパルス信号を出す処理です。例えば、ある完了信号がOFFからONになった瞬間を検出するのが立ち上がりパルスで、ONからOFFになった瞬間を検出するのが立ち下がりパルスです。

通常の接点命令では、入力がOFFになると条件自体が消えてしまうため、「OFFになった瞬間」を検出することはできません。そのため、前回の状態を記憶して比較する回路が必要になります。

FX0Nでは立ち下がりパルス専用命令がないため、補助リレーなどを使って過去の状態を保持し、現在の状態との差を見る方法が一般的です。

FX0Nで立ち下がりパルスを作る基本回路

立ち下がり検出は、「前回はONだったが、現在はOFFになった」という条件を作ることで実現できます。

基本的な考え方は以下のようになります。

・前回のM10状態を補助リレーに記憶する
・現在のM10がOFFであることを確認する
・記憶していたM10がONだった場合だけパルスを出す

例えば以下のような構成になります。

1. M10の状態を記憶用リレーM11へ転送する
2. M10がOFF、かつM11がONの場合に一瞬だけM20をONする
3. 次のスキャンでM11もOFFになり、M20は解除される

このように、状態記憶用の補助リレーを1つ用意することで、立ち下がりパルスと同じ動作を作ることができます。

今回の在荷監視回路での使用例

質問のような「加工ワークを取り出した後、ワーク検知X0が残っていた場合に異常判定する」という処理では、M10完了信号のOFFタイミングを検出する必要があります。

例えば、加工完了中はM10がONしており、ワーク取り出し後にM10がOFFになる場合を考えます。このOFFになった瞬間を検出して、X0がまだONなら在荷監視用のM20をセットするという流れになります。

ラダーの考え方としては以下のようになります。

・M10がON中に記憶リレーM11をON
・M10がOFFになった瞬間にM11を確認
・そのタイミングでX0がONならM20をセット
・M20を自己保持してタイマーへ接続

この方式なら、キリコなどによってX0が誤検知状態になった場合でも、ワーク取り出し完了時点で判断できます。

自己保持回路を使う場合の注意点

在荷異常などの警報処理では、一度検出した異常を保持する必要があります。そのため、検出パルスをそのままタイマーへ入れるのではなく、自己保持回路で異常状態を維持する構成がよく使われます。

例えば、M20を自己保持させる場合は、異常解除条件やリセット入力も必ず設計しておくことが重要です。

実際の設備では、異常発生後に作業者が原因確認を行うため、復帰ボタンやリセット条件を明確にしておくことで安全な制御になります。

FXシリーズでは機種ごとの命令差に注意する

三菱FXシリーズは同じFXシリーズでも、FX0N、FX1N、FX2N、FX3シリーズなどで使用できる命令や特殊機能が異なります。

新しい機種では便利なパルス命令が追加されていますが、古い機種では補助リレーによる状態比較で同じ機能を作ることが基本になります。

そのため、既存設備の改造や保守では、使用しているCPU型式を確認し、その機種で使用可能な命令だけで回路を構成することが大切です。

まとめ:FX0Nでも補助リレーを使えば立ち下がり検出は可能

三菱FX0Nでは専用の立ち下がりパルス命令を使用できませんが、状態記憶用の補助リレーを利用することで同じ動作を実現できます。

ポイントは、「現在の状態」と「1つ前のスキャン時の状態」を比較することです。ONからOFFへ変化した瞬間を検出できれば、立ち下がりパルスと同じ制御が可能になります。

今回のような加工完了後の在荷監視回路では、M10のOFFタイミングを作り出し、その瞬間にX0を確認してM20を保持する構成にすると、FX0Nでも安定した異常検出回路を作成できます。

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