砂漠というと、砂丘が広がる暑い地域をイメージする人が多いですが、実際には寒冷な地域にも砂漠があります。特に降水量が非常に少ない極地周辺には「寒冷砂漠」と呼ばれる環境が存在します。この記事では、南極を除いた世界で最も高緯度に位置する寒い砂漠がどこなのか、その特徴やなぜ砂漠になるのかを詳しく解説します。
砂漠は暑い場所だけに存在するわけではない
一般的に砂漠というと、アフリカのサハラ砂漠のような暑く乾燥した地域を思い浮かべます。しかし、地理学における砂漠の定義は「雨や雪などの降水量が極めて少ない地域」であり、気温の高さは条件ではありません。
そのため、極端に寒い地域でも降水量が少なければ砂漠になります。このような砂漠は「寒冷砂漠」や「極地砂漠」と呼ばれています。
南極大陸の内陸部は世界最大級の寒冷砂漠ですが、南極を除いても北極圏には広大な寒冷砂漠が存在します。
南極以外で最も高緯度にある寒冷砂漠は北極圏の砂漠
南極を除いた場合、世界で最も高緯度にある寒冷砂漠として知られる地域は、北極圏に位置するカナダ北部のクイーンエリザベス諸島やグリーンランド北部周辺の極地砂漠です。
特にカナダのヌナブト準州にあるエルズミーア島(Ellesmere Island)北部は、北緯80度を大きく超える場所にあり、極めて高緯度に位置する寒冷砂漠地帯です。
この地域は北極点に近く、年間を通じて非常に寒冷で、降水量も少ないため、砂漠と呼ばれる環境になっています。
エルズミーア島の寒冷砂漠の特徴
エルズミーア島北部では、冬になると気温が大きく低下し、長期間にわたって氷雪に覆われます。しかし、雪が大量に降るわけではありません。
気温が低いため空気中に含まれる水蒸気が少なく、降雪量も非常に少なくなります。その結果、見た目は雪と氷の世界でありながら、気候的には砂漠に分類されます。
また、この地域では永久凍土が広がり、植物が生育できる期間も非常に短いため、植生は極めて限られています。
なぜ北極圏に砂漠ができるのか
北極圏が砂漠になる理由は、低温によって大気中の水分量が少なくなるためです。
暖かい空気は多くの水蒸気を含むことができますが、冷たい空気は水蒸気をあまり保持できません。そのため、北極圏では雲ができにくく、降水量が少なくなります。
さらに、高緯度地域では太陽高度が低く、地表が温まりにくいため、蒸発する水分も少なくなります。これらの条件が重なり、極寒の砂漠環境が形成されます。
世界の代表的な寒冷砂漠
寒冷砂漠は北極圏だけではありません。代表的なものとして以下の地域があります。
・南極内陸部の南極砂漠
・グリーンランド内陸部
・カナダ北極諸島
・ロシア北極圏の一部
これらの地域はいずれも低温で乾燥しており、砂や岩の砂漠とは異なる「氷雪の砂漠」として分類されます。
例えば南極内陸部は年間降水量が極めて少なく、地球上でもっとも乾燥した地域の一つです。寒さだけでなく乾燥も極端であることが特徴です。
高緯度の砂漠と一般的な砂漠の違い
サハラ砂漠などの暑い砂漠では、強い日射による高温と乾燥が特徴です。一方、極地砂漠では低温による乾燥が特徴になります。
つまり、どちらも「水が少ない」という点では共通していますが、水が不足する理由が異なります。
暑い砂漠は水分が蒸発しやすいため乾燥し、寒冷砂漠は空気中に水分が少なく降水が少ないため乾燥しています。
まとめ
南極以外で世界一高緯度にある寒冷砂漠は、北極圏に位置するカナダ北部のエルズミーア島などの極地砂漠です。
砂漠は必ずしも暑い場所ではなく、降水量が少ないことが重要な条件です。そのため、北極圏のような極寒の地域にも砂漠が存在します。
地球には、砂の広がる砂漠だけでなく、氷と雪に覆われた寒冷砂漠もあり、それぞれ異なる環境条件によって形成されています。


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